47都道府県の“ご当地肉じゃが”リサーチ
肉じゃがは日本全国で親しまれる家庭料理ですが、地域ごとに具材や味付け、調理法、文化背景に多様なバリエーションがあります。ここでは、北海道から沖縄までのご当地肉じゃがの特徴や、SNSやレシピサイト、郷土料理資料などから得られるリアルな情報をまとめます。
北海道・東北
- 北海道
豚肉派が圧倒的多数。じゃがいもは北海道産(男爵・メークイン)が主流。バターやコーンを加えた「じゃがバター風」アレンジも。JA北海道のレシピでは豚もも肉+北海道産野菜を推奨。 - 青森・秋田・岩手
豚肉が主流。青森は糸こんにゃく、ごぼうを加える家庭も。秋田はきりたんぽ鍋の流れで鶏肉入りアレンジも。 - 宮城・山形・福島
豚肉が多いが、山形は米沢牛の産地ゆえ牛肉派も。宮城では「牡蠣のオイスターソース肉じゃが」など海産物を活かしたアレンジも。
関東
- 東京・埼玉・千葉・神奈川
豚肉派が優勢。玉ねぎ・にんじん・しらたき・ごぼうなどを加える家庭も多い。千葉では落花生を加える家庭もある。 - 茨城・栃木・群馬
豚肉+根菜(ごぼう、里芋、さつまいも)を加えることが多い。埼玉北部では里芋入り肉じゃがが“実家の味”という声も。
中部
- 新潟・長野・山梨
豚肉と牛肉が混在。長野は野沢菜やきのこ、山梨はほうとう風アレンジも。 - 静岡
「みしまコロッケ」は肉じゃが風味のコロッケとしてご当地グルメ化。地元産メークインと豚肉を使う。 - 愛知
八丁味噌を使った「味噌肉じゃが」が有名。牛肉または豚肉、赤味噌・みりん・砂糖でコク深い味わい。 - 岐阜・富山・石川・福井
牛肉と豚肉が半々。富山では昆布を加えることも。
近畿
- 大阪・兵庫・奈良・和歌山
牛肉が主流。甘辛い味付けで、玉ねぎ・しらたき・にんじんが定番。 - 京都
九条ねぎや京にんじんを加える「九条ねぎのすき焼き風肉じゃが」など、京野菜を活かした上品なアレンジが特徴。 - 滋賀・三重
牛肉中心、三重では伊勢芋や地元野菜を加える家庭も。
中国・四国
- 広島(呉市)
呉市は「肉じゃが発祥の地」を名乗り、メークイン使用が特徴。海軍レシピ由来で、牛肉・玉ねぎ・じゃがいも・しらたき・にんじんのシンプル構成。 - 山口・岡山・鳥取・島根
牛肉が主流。島根ではしじみやあごだしを使う家庭も。 - 香川・徳島・愛媛・高知
牛肉派が多いが、香川ではオリーブ牛、徳島はすだちを添えるなど地元色も。
九州
- 福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島
牛肉が優勢。甘めの味付けで、さつまいもや里芋を加える家庭も。鹿児島は黒豚バラ肉や黒糖を使うことも。 - 長崎
ちゃんぽんの具材をヒントにキャベツやかまぼこを加えるアレンジも。
沖縄
- 沖縄
「ラフテー風肉じゃが」や「豚三枚肉+泡盛+黒糖」で煮込むアレンジが特徴的。豚肉の旨みと黒糖のコク、泡盛の風味が独特。
ご当地アレンジの具材・調味料の地域差
- 肉の種類
東日本(北海道・東北・関東)は豚肉、西日本(近畿・中国・四国・九州・沖縄)は牛肉が主流。 - 味付け
しょうゆベースが基本だが、愛知の八丁味噌、沖縄の泡盛・黒糖、広島のオイスターソースなど、地域の特産調味料を活かす例も。 - 野菜・ローカル食材
北海道のコーンやバター、千葉の落花生、埼玉・九州の里芋、京都の九条ねぎ、愛知の八丁味噌、広島の牡蠣、沖縄の島野菜や黒糖など。
家庭の味・SNS投稿・口コミ
Instagram・Xのハッシュタグ例
などで検索すると、地元の食材や味付けにこだわった投稿が見られる。
「うちは豚肉+味噌」「牛肉+九条ねぎが定番」「ラフテー風で泡盛必須」など、家庭ごとのリアルな声や写真が豊富。
参考アカウント・投稿
料理研究家・レシピサイトのご当地アレンジ
- DELISH KITCHEN
「味噌肉じゃが」「ラフテー風肉じゃが」など、全国各地のアレンジレシピを多数掲載。 - クラシル・Nadia
「牛肉・豚肉・鶏肉の肉じゃが」「塩バター鶏じゃが」など、地域食材や調味料を活かしたバリエーションが豊富。 - JA・農水省
地域の旬野菜や地元産肉を使った肉じゃがレシピを公開。 - 郷土料理資料・NHK「きょうの料理」
舞鶴・呉の肉じゃがや、各地の「○○煮」など、肉じゃが風の煮物も多数紹介。
地元メディア・郷土料理資料
- 広島・呉市
「呉肉じゃが」は海軍レシピ由来で、地元のメークイン使用が特徴。地元イベントやご当地フェアでも提供。 - 京都・舞鶴市
「まいづる肉じゃが」は男爵いも使用。ご当地グルメとして街おこしにも活用。 - 静岡・三島市
「みしまコロッケ」は肉じゃが風味のコロッケとしてB級グルメ化。
まとめ
肉じゃがは全国で「家庭の味」として親しまれつつ、地域ごとに具材や味付け、調理法に多様なご当地バリエーションが存在します。
豚肉・牛肉・鶏肉の使い分け、味噌や泡盛・黒糖・オイスターソースなど、地元の食材や調味料を活かしたアレンジが各地に根付いています。
SNSやレシピサイト、郷土料理資料を活用すれば、リアルな“ご当地肉じゃが”の姿をより深く知ることができます。