候補地を3つ以上まで広げると、印象で選んでしまいがちです。比較シートの役割は順位をつけることではなく、同じ項目を同じ基準で埋めて、空欄を見つけることにあります。ここでは点数化の作り方と、点数にしてはいけない項目の扱いを整理します。
この記事で決められること
- 候補地を比べる項目を決め、重みづけを家族で合意する
- 点数化できる項目と、条件を満たすか否かで判定する項目を分ける
- 情報が取れていない項目を空欄として残し、次の行動につなげる
まず「足切り条件」を決める
点数をつける前に、満たさなければ候補から外す条件を決めます。ここを先に置かないと、総合点は高いが住めない場所が上位に来ます。
| 足切り条件の例 | 判定 |
|---|---|
| 光回線が引けること | 可/不可 |
| 浸水想定区域・土砂災害警戒区域でないこと | 該当/非該当 |
| 小児科まで30分以内 | 可/不可 |
| 勤務先まで通える距離 | 可/不可 |
| 配偶者の仕事が成立すること | 可/不可 |
災害リスクはハザードマップポータルサイトで住所を入れれば確認できます。これは点数化せず、該当したら外す扱いが安全です。
点数化する項目と重みづけ
残った候補を5段階で採点します。重みは家族で決めてください。合計点より、どこで差がついたかを見るための道具です。
| 分野 | 採点する内容 | 重みの目安 |
|---|---|---|
| 気候 | 積雪量、夏の暑さ、日照時間 | 寒冷地を検討するなら重く |
| 医療 | 内科までの時間、夜間・休日の受け入れ先、専門科の有無 | 持病や高齢の家族がいれば重く |
| 交通 | 公共交通の本数、高速道路の入口、冬季の除雪 | 車を持たないなら重く |
| 教育 | 学校までの距離、統廃合の予定、塾や習い事 | 子どもがいれば重く |
| 買い物 | スーパーまでの時間、日曜や夜の営業 | 共働きなら重く |
| 仕事 | 求人の数、通勤時間、在宅の可否 | 転職をともなうなら重く |
| 住居費 | 家賃または物件価格、改修の要否 | 予算が厳しいなら重く |
| 地域の負担 | 自治会費、共同作業の回数、行事の拘束 | 時間に余裕がないなら重く |
記入例
候補地を列に、項目を行に置きます。5段階の点数と、根拠を短く書ける欄を併設してください。根拠がない点数は、後で見返したときに使えません。
| 項目 | 重み | 候補A | 候補B | 候補C |
|---|---|---|---|---|
| 気候(積雪) | 3 | 2(年150cm) | 4(年30cm) | 5(ほぼ降らない) |
| 医療(内科まで) | 3 | 4(10分) | 3(20分) | 2(35分) |
| 交通(除雪) | 2 | 3(幹線のみ) | 4(生活道路も) | 5(不要) |
| 住居費 | 2 | 5(5.5万円) | 3(7万円) | 2(8.5万円) |
| 地域の負担 | 2 | 2(共同作業年6回) | 4(年2回) | 3(年3回) |
| 未確認 | — | 回線・配偶者の仕事 | 夜間医療 | なし |
いちばん重要なのが最終行です。未確認の項目が残っている候補は、点数が高くても決定できません。空欄を消すことを次の行動にしてください。
点数にしない方がよいもの
「雰囲気が良い」「人が温かい」といった印象は点数化しないでください。訪問したときの天気や、たまたま会った人で大きく変わります。どうしても記録したいときは、点数ではなく具体的な出来事として書き残します。「窓口の担当者が空き家の改修補助まで説明してくれた」のような形なら、後から比較できます。
同様に、支援金の額も点数に入れないでください。一度きりの収入であり、要件を外せばゼロになります。支援金は最後の差し引きに使う数字です。
公式情報で確認する場所
更新日: 2026年9月13日。制度、交通、医療体制は年度で変わります。最終判断は移住先自治体と現地確認で行ってください。
あわせて確認したい関連記事
シートを埋める材料は、視察と相談で集めます。
最後に確認すること
足切り条件を先に決め、点数は差の理由を見るために使い、未確認欄を必ず残す。この3つでシートは機能します。
合計点が最も高い候補ではなく、未確認欄が空になった候補から決めてください。


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