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いちごの産地を統計で読む|都道府県別 生産量ランキングと地域性

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統計で読む・いちご産地

いちごの産地を統計で読む|都道府県別 生産量ランキングと地域性

「いちごの有名産地」はよく聞くけれど、どこが・どれだけ・なぜ強いのかは数字で見ると一気に理解が進みます。
この記事では、公的統計(作況調査など)に基づくデータから、収穫量(生産量)・作付面積・産出額を読み解き、
都道府県別ランキングと“地域性”を整理します。

データの出典と「数字の見方」

ここで扱う主な指標は次の3つです。同じ「強い産地」でも、強さの理由が違うため、セットで見るのがコツです。

  • 収穫量(t):いちごがどれだけ採れたか(=生産量の代表指標)
  • 作付面積(ha):いちごを作っている面積(産地の“土台”)
  • 産出額(億円):農業産出額としての金額(“稼ぐ力”の目安)

本記事の「収穫量・作付面積」は令和6年産(2024年産)
「産出額」は令和5年産(2023年産)の公表値を用いて整理しています。
図表の数値は、栃木県(いちご研究所)が農林水産省の統計に基づき公開している資料から読み取りました。

都道府県別ランキング(収穫量)

まずは「どこで多く採れているか」。令和6年産(2024年産)の全国収穫量は156,600tです。
上位県の構成を見ると、関東・東海・九州に分布が寄るのが特徴です。

都道府県別いちご収穫量(令和6年産)
図:都道府県別いちご収穫量(令和6年産)※公表図表(作況調査等に基づく)

収穫量トップ10(令和6年産)

順位 都道府県 収穫量(t) 全国比(%)
1 栃木 25,700 16.41
2 福岡 14,400 9.20
3 熊本 11,100 7.09
4 愛知 10,500 6.70
5 静岡 10,100 6.45
6 茨城 9,970 6.37
7 長崎 9,600 6.13
8 千葉 6,590 4.21
9 佐賀 5,790 3.70
10 宮城 5,160 3.30
全国計 156,600 100.00

見どころは「1位が突出しつつ、2〜7位が1万t前後で厚い」こと。
“上位が固定されやすい”作物なので、年次比較をする場合も同じ県が並びやすい傾向があります。

作付面積で見る「産地の土台」

次に、どれだけの面積で作っているかを見ます。面積は「産地の規模・生産基盤」を表します。
全国の作付面積は4,700haです。

都道府県別いちご作付面積(令和6年産)
図:都道府県別いちご作付面積(令和6年産)※公表図表(作況調査等に基づく)

作付面積トップ10(令和6年産)

順位 都道府県 作付面積(ha) 全国比(%)
1 栃木 506 10.77
2 福岡 414 8.81
3 静岡 290 6.17
4 熊本 284 6.04
5 長崎 248 5.28
6 愛知 242 5.15
7 茨城 233 4.96
8 千葉 214 4.55
9 佐賀 144 3.06
10 宮城 135 2.87
全国計 4,700 100.00

収穫量ランキングと並べると、「面積が大きい県」=「収穫量も大きい県」になりやすい一方、
同じ面積でも収穫量に差が出ます。ここが「地域性(技術・施設・品種・出荷体系)」が出るポイントです。

産出額で見る「稼ぐ産地」

収穫量が多くても、単価や出荷の組み立てで“稼ぐ力”は変わります。
令和5年産(2023年産)の全国いちご産出額は2,055億円です。

都道府県別いちご産出額(令和5年)
図:都道府県別いちご産出額(令和5年)※公表図表(農林統計に基づく)

産出額トップ10(令和5年産)

順位 都道府県 産出額(億円) 全国比(%)
1 栃木 277 13.48
2 福岡 244 11.87
3 熊本 160 7.79
4 長崎 127 6.18
5 静岡 126 6.13
6 愛知 112 5.45
7 茨城 104 5.06
8 佐賀 91 4.43
9 千葉 75 3.65
10 宮城 67 3.26
全国計 2,055 100.00

収穫量トップでも、産出額の全国比は同じにならないのがポイント。
品種(ブランド力)・出荷時期(高単価期に当てられるか)・規格・販路などが影響します。

統計から読む地域性(チェックポイント)

1) 「面積型」か「効率型」か

面積が大きいほど収穫量は増えやすい一方、同じ面積でも収穫量が高い県があります。
面積(産地基盤)× 収穫量(成果)で見ると、産地のタイプが見えます。

2) 産出額は“単価×数量”の結果

産出額は、単価の影響を強く受けます。ブランド・出荷時期・ギフト需要が強いと、
収穫量の割に産出額が伸びることがあります。

3) 産地の分布は「施設栽培×気象条件×市場距離」

  • 冬春どり中心:施設(ハウス)栽培と温度管理がカギ
  • 大消費地への距離:鮮度・物流・観光需要と結びつきやすい
  • 産地としての歴史:育種(品種)・技術体系・指導体制が積み上がる

「地域性」は“気候だけ”で決まりません。統計は、地域の農業構造(面積)と成果(収穫量・産出額)を同時に示すので、
産地理解の入口として非常に有効です。

主要産地の読み解き(トップ県の特徴)

栃木:量でも基盤でもトップ

収穫量・作付面積ともに全国トップ。統計上は、「産地の土台が厚い」タイプです。
まず「日本のいちご産地構造」を理解する起点になります。

福岡:量と産出額の両面で存在感

収穫量でも上位、産出額でも上位。数量だけでなく“売り方”も強いタイプとして読み解けます。

熊本:九州の大産地として厚み

収穫量・面積・産出額のいずれでも上位に入り、産地としての総合力が見える県です。

愛知・静岡:東海の施設園芸の強み

収穫量・面積とも上位。日照・施設園芸・販路の組み合わせで安定しやすい構造が読み取れます。

※ここは「品種名の解説」ではなく、統計から見える構造(土台/成果/稼ぐ力)に絞って整理しています。
品種・旬・ブランドは別記事で深掘りすると、回遊が作りやすいです。

よくある質問

Q. 「生産量」と「収穫量」は同じ?
A. 本記事では、作況調査等で扱われる収穫量(t)を生産量の代表指標として扱っています。
Q. 産出額は「売上」?
A. 産出額は農業統計上の指標で、販売金額(推計)としての意味合いを持ちます。厳密な経営上の売上とは定義が異なる場合があります。
Q. 毎年ランキングは大きく変わる?
A. いちごは施設園芸の比重が高く、産地の基盤(面積・技術体系)が積み上がるため、上位県は比較的固定されやすい傾向があります。

※数値は公表資料に基づき整理(収穫量・作付面積:令和6年産/産出額:令和5年産)。最新公表で更新する前提のテンプレとしても使えます。

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