「今日、夕ご飯どうしよう」——そう思いながら冷蔵庫を開けたとき、あるのは卵2個とキャベツの残り、豚こまがちょっとだけ。そんな経験、週に何度かありませんか?
献立を毎日ゼロから考えるのは、地味に疲れます。料理そのものより「何を作るか考える」だけでエネルギーを使い果たしてしまう。共働きの方、子育て中の方、一人暮らしの方なら特に思い当たる節があるはずです。
そこで今回、冷蔵庫の余り物をそのままChatGPTに入力して、夕食の献立を考えてもらう実験をしてみました。「AI献立って実際どうなの?」というリアルな検証レポートです。
実際に入力したプロンプトはこれ
ChatGPTへの入力は、できるだけ「普段の状況そのまま」で試しました。小難しい指示は一切なし。冷蔵庫の中身を伝えて、あとは条件を絞っただけです。
冷蔵庫に卵2個、キャベツ4分の1玉、豚こま肉150g、玉ねぎ半分、ご飯があります。この材料をできるだけ使って、2人分の夕食献立を考えてください。調理時間は30分以内、なるべく簡単で、買い足しなしで作れるメニューにしてください。主菜・副菜・汁物の形で提案してください。
シンプルな入力です。それでも、返ってきた提案は思ったよりずっと実用的でした。

ChatGPTが提案した献立
以下が実際に提案された夕食メニューです。食材の使い方が整理されていて、思わず「あ、これ作れそう」と感じました。
| 区分 | メニュー | 主な使用食材 | 調理時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 主菜 | 豚こまとキャベツの塩こうじ炒め | 豚こま肉・キャベツ・玉ねぎ | 約15分 |
| 副菜 | キャベツと卵の和風サラダ | キャベツ・卵・ごま油・醤油 | 約10分 |
| 汁物 | 玉ねぎと卵の中華風スープ | 玉ねぎ・卵・鶏がらスープの素 | 約10分 |
| 主食 | 白ご飯 | ご飯(冷蔵庫に既存) | — |
卵2個が副菜とスープに振り分けられ、キャベツも主菜とサラダで無駄なく使われています。「余り物をどう使い切るか」という視点がちゃんとあって、これは素直に便利だと思いました。

使ってみて良かったこと
最初に感じたのは「思ったよりリアルな提案だな」という驚きでした。「豚こまとキャベツの塩こうじ炒め」は、家庭でよく作られる定番に近いメニューで、特別なテクニックも材料も必要ない。主菜・副菜・汁物がきれいにまとまって出てくるのは、献立を考える上でかなり助かります。
食材の使い切りという点でも優秀でした。卵2個をどう振り分けるか、キャベツをどこで使うかが自動的に整理されていて、「余り物が残ってしまった」という事態になりにくい構成になっています。
もう一つ地味にうれしかったのは、レパートリーの広がりです。「塩こうじ炒め」という味付けは、自分ひとりで考えると「醤油炒め」で止まりがち。こういうちょっとした変化球を提案してもらえるのは、日々の献立疲れに効きます。
正直、ここは微妙だった
良い点ばかりではありませんでした。「鶏がらスープの素」が汁物の材料として出てきたのですが、家にあるかどうかは人によります。「買い足しなし」と指定したのに、常備してない調味料が前提になっているケースは実際にありました。
また、副菜の「和風サラダ」は卵を茹でる工程が含まれていて、10分でできるとはいえ、主菜と汁物と同時進行すると少し手が足りない感覚がありました。全体の段取りは自分で考える必要があります。
味付けについても、「塩こうじ炒め」の塩加減や「醤油の量」は提案どおりにやると薄かったり濃かったりすることがあるので、最終的な調整は自分でやる必要があります。AI献立はあくまで「たたき台」として使うのがちょうどいい距離感だと感じました。
余り物献立とフードロスの話
農林水産省の発表によると、日本の食品ロスは年間約464万トン(2022年度推計)。そのうち家庭から出る食品ロスは約233万トンとされており、全体のほぼ半分を占めます。冷蔵庫の奥で忘れられた食材、中途半端に残ったまま使い切れなかった野菜——そういった「食べ忘れ」も積み重なれば大きな数字になります。
AI献立がフードロスの完全な解決策になるわけではありませんが、「今ある食材から考える」という使い方は、余り物を消費するひとつの補助になりえます。買い物前に冷蔵庫を確認してChatGPTに聞く、というルーティンにすれば、少しずつ無駄が減るかもしれません。
ChatGPTを使うときの注意点
AI献立を活用するうえで、いくつか意識しておきたいことがあります。重い話ではなく、使い方の常識として頭に入れておくだけで十分です。
まず、入力する情報は食材と条件だけで十分です。氏名・住所・家族構成の詳細など、個人を特定できる情報を含める必要はまったくありません。冷蔵庫の中身を伝えるだけで、献立の提案としては機能します。
次に、AIの提案は「参考案」として扱うこと。アレルギーのある食材が含まれていないか、加熱が十分かどうかは必ず自分で確認してください。特に卵や豚肉を使う場合、加熱不足による食中毒リスクはAIが保証できるものではありません。
味付けや分量も、AIが提案する数値は目安です。家庭によって塩加減の好みは違いますし、フライパンの大きさや火加減も異なります。最終的な仕上がりは料理する人の判断に委ねられています。
そのままコピーして使えるプロンプトテンプレート
実際にChatGPTで試してみたい方のために、カスタマイズして使えるテンプレートを用意しました。「〇〇」の部分を自分の状況に書き換えてそのまま貼り付けてください。
冷蔵庫に〇〇、〇〇、〇〇があります。この材料をできるだけ使って、〇人分の夕食献立を考えてください。調理時間は〇分以内、なるべく簡単で、買い足しなしで作れるメニューにしてください。主菜・副菜・汁物の形で提案してください。
食材の数は多すぎなくて構いません。3〜5種類あれば十分な提案が返ってきます。「子ども向けに辛くしないで」「卵アレルギーがあるので卵を除いて」といった条件を追加すると、より使いやすい提案になります。
まとめ:献立を考える負担を、少し減らす道具として
ChatGPTに冷蔵庫の余り物を入力して献立を提案してもらう——試してみた率直な感想は、「毎日使えるかも」でした。完璧な提案が出るわけではないし、調味料の過不足や段取りは自分で補う必要があります。それでも、「今日何作ろう」という最初の一歩を踏み出す手間が、かなり減るのは確かです。
AI献立はあくまで補助です。でも、毎日ゼロから献立を考える必要がなくなるだけで、夕方のキッチンに立つ気持ちが少し楽になる。節約したい、余り物を活かしたい、献立のレパートリーを増やしたい——そんな方には、一度試してみる価値が十分あります。

