切り方図鑑|細かな筋目で味の絡みと見た目を整える下ごしらえ
細かな格子で、味の絡みと見た目をよくする
格子状の切り込みは、素材の表面に斜めの線を交差させて入れる下ごしらえです。なす、こんにゃく、いかなどで使い、火通りや味の絡み、見た目を整える役割があります。
- 向いている素材なす、こんにゃく、いか、しいたけ
- 見るポイント深く入れすぎず、線の間隔をそろえます。
- 使いやすい料理焼きなす、煮物、炒め物、いかの焼き物
- 練習の軸きれいな格子より、切り離さない深さを優先します。
- 所要時間なす2本で3〜4分
- 難易度★★☆(深さの加減に慣れが要ります)
- 道具三徳包丁・まな板
格子状の切り込みは隠し包丁の発展
浅い切り込みを一方向だけでなく、交差させて入れると格子状になります。味の入り口が増え、表面に調味料が絡みやすくなります。
ただし、切り込みを深くしすぎると素材が切れてしまいます。包丁の角度を寝かせすぎず、表面に筋を入れる感覚で進めます。

なすは皮目に入れると火が入りやすい
なすは皮があるため、皮目に浅く切り込みを入れると加熱したときに食べやすくなります。油や煮汁も絡みやすくなるので、焼き物や煮浸しに向いています。

いかは見た目にも差が出る
いかは格子状に切り込みを入れると、加熱したときに表面が開き、見た目が華やかになります。こんにゃくでは味が絡みやすく、噛み切りやすい印象にもつながります。

素材別の使い分け

なす
皮目に浅く入れると、火が入りやすく、煮汁や油がなじみやすくなります。

こんにゃく
表面に細かな筋を作り、煮物で味を絡ませやすくします。

いか
加熱後の見た目がよくなり、噛み切りやすい形にしやすくなります。
切り込みの深さと間隔の目安
格子状の切り込みは、表面積を増やして味をからみやすくし、加熱したときに切り口が開いて見た目も変わります。深さと間隔の2つだけ決めれば失敗しません。
| 素材 | 間隔・深さの目安 | ねらい |
|---|---|---|
| なす(煮浸し・焼きなす) | 間隔5mm〜1cm・皮を貫通する深さ | 皮が縮まず、味が中まで入ります |
| いか(炒め物・天ぷら) | 間隔3〜5mm・厚みの2/3 | 加熱すると開いて火が早く通ります |
| こんにゃく(煮物・田楽) | 間隔1cm・厚みの1/3 | 味がしみにくい素材に入り口を作ります |
| 鶏むね肉(ソテー) | 間隔1cm・浅く | 縮みを防ぎ、たれがからみます |
数値は目安です。素材の大きさや料理に合わせて前後してかまいません。
格子状の切り込みの基本手順
失敗しやすいところ
いかが丸まってしまう
原因は、切り込みを外側(皮側)に入れていることです。いかは加熱すると切り込みのある側が外へ反るので、内側(身側)に入れると花のように開きます。
なすに入れたのに効果が感じられない
原因は、切り込みが浅くて皮を貫通していないことです。なすの皮は加熱で縮むため、皮を切っておかないと意味がありません。刃先で皮を通す意識で入れます。
こんにゃくがちぎれる
原因は、両面に深く入れていることです。こんにゃくは弾力がないので、片面だけ、厚みの1/3までにとどめます。手綱こんにゃくにするなら中央に1本の切れ目で十分です。
今日の格子切り込みチャレンジ
今日の料理に使う分だけで大丈夫です。速さよりも、どこに包丁を入れると料理が扱いやすくなるかを見ます。
ほかの切り方と合わせて使う
格子状の切り込みは、輪切りや乱切りのような形を作る切り方と組み合わせて使う下ごしらえです。先に料理で使う形を決め、そのあと必要に応じて角を落とす、切り込みを入れる、皮を整える、と考えると使いやすくなります。
慣れないうちは、仕上がりを完璧にしようとしなくて大丈夫です。素材が安定しているか、切り込みが深すぎないか、料理に必要なひと手間かを確認しながら進めます。
よくある質問
- 格子状の切り込みは何mm間隔?
- なすは5mm〜1cm、いかは3〜5mm、こんにゃくは1cmが目安です。細かいほど開き方がきれいになりますが、細かすぎると崩れやすくなります。
- いかの切り込みは内側と外側どっち?
- 内側(身側)です。いかは加熱すると切り込みのある側が外向きに反るため、内側に入れると花のように開きます。外側に入れると逆に丸まってしまいます。
- 焼きなすの切り込みはなぜ入れる?
- 皮が加熱で縮んで身がつぶれるのを防ぐためと、火の通りを早くするためです。焼く前に皮側へ数本入れておくと、焼き上がりの形がきれいに残ります。

