旬のいちご特集|全国いちご図鑑

AI活用基本講座

今日の面倒な作業をAIに渡してみる

第1回 1章 AIに頼む前の不安をほどく 初級 10分

この回でできるようになること

  • 作業をAIに頼む部分と自分で見る部分に分けられる
  • 具体的な場面を入れて頼める
  • 確認が必要な情報を分けられる

使うもの

ChatGPT

AIを使い始めるときに一番困るのは、操作方法よりも「何を頼めばいいのか」が見えないことです。

この回で作るもの

今日の作業を分けた作業分解メモ

やりたいことを「AIに頼む部分」と「自分で確かめる部分」に分けたメモを1枚作ります。次に手が止まったとき、そのメモを見れば最初の一歩が決まります。

今回の例

ミカさんが、道の駅の記事を書こうとしている

ミカさんは、週末に訪れた道の駅やご当地グルメをブログに残したいと思っています。写真は撮りました。メモも少しあります。でも、記事を書こうとすると手が止まります。

持っているもの
スマホ写真8枚、短いメモ、食べた記憶
書きたいこと
黒ごまソフトを食べた感想と、道の駅の雰囲気
止まっている理由
記事の始め方、確認すべき情報、AIに任せる範囲が分からない

「どこから書けばいいんだろう」「説明が薄くなりそう」「AIに頼むと全部作られてしまいそうで怖い」。この回では、そんな場面を例にして、AIを“代わりに全部やるもの”ではなく、“作業の一部分を軽くする相談相手”として使う練習をします。

ミカさんは何に困っているのか

ミカさんが困っているのは、ブログ記事そのものではありません。もっと手前の段階で止まっています。

  • 写真はあるけれど、記事の切り口が決まらない
  • 道の駅で食べたものの感想を、どう文章にすればいいかわからない
  • 営業時間や商品名を間違えて書かないか不安
  • タイトルを考えるだけで時間がかかる
  • 最初の一文が書けず、下書き画面を閉じてしまう

この状態で「道の駅の記事を書いて」とAIに丸投げすると、たしかに文章は出ます。でも、ミカさんが本当に欲しいのは完成品ではありません。まず欲しいのは、手が止まっている場所を見つけることです。

AIに任せるのは全部ではなく一部分

AIを使うとき、最初から記事全体を任せようとすると不安になります。自分の体験が薄くなりそうですし、知らない情報を勝手に足されるかもしれません。

だから、最初は作業を小さく分けます。ミカさんの場合なら、AIに頼みやすい部分と、自分で見る部分はこう分かれます。

AIに頼みやすい

  • メモを見て、記事に使えそうな要素を整理する
  • 読者が知りたいことを質問リストにする
  • 記事タイトルの候補を10個出す
  • 導入文のたたき台を3パターン作る
  • 公開前に確認すべき情報をチェックリストにする

自分で見る

  • 実際に食べた感想が自分の感覚に合っているか
  • 写真から伝えたい空気が残っているか
  • 営業時間や商品名を公式情報で確認したか
  • 混雑状況などを断定しすぎていないか
  • 最後の言い方が自分の文章になっているか

具体的にどう進めるか

ミカさんは、日曜日の夜にブログを書こうとしています。手元にあるのは、スマホの写真8枚と、「黒ごまソフトがおいしかった」「野菜売り場が広かった」「駐車場が混んでいた」という短いメモだけです。

このとき、AIへの最初の依頼は「記事を書いて」ではありません。まずは、今ある材料を整理してもらいます。

  1. 写真を見ながら、覚えていることを短いメモで3つ書き出す
  2. AIに、記事に使える要素へ分けてもらう
  3. 読者が気にしそうな点を出してもらう
  4. 公式サイトや店頭表示など、信頼できる情報で確認が必要なものを分ける
  5. 最後に、自分の体験を入れて文章にする

この順番なら、AIに全部を奪われる感じがしません。AIは、ミカさんの体験を記事にするための整理係になります。

そのまま使える依頼文

ここからは、この回でそのままAIに送れる依頼文です。プロンプトとは、AIに送るお願い文のことです。すべて具体例入りにしてあります。ミカさんの例のまま試してもいいですし、自分の作業に近いものへ少し変えて使っても大丈夫です。

1. ブログ作業のどこをAIに頼むか見つける

私はAI初心者です。
週末に行った道の駅の記事を書きたいのですが、どこから始めればいいかわかりません。

手元にある材料は次の3つです。
1. 黒ごまソフトを食べた写真
2. 野菜売り場が広かったというメモ
3. 駐車場が混んでいたという記憶

この記事を書く作業を小さく分けて、AIに頼みやすい部分と、自分で確認した方がいい部分に分けてください。

出力例

AIに頼みやすい部分

  • 写真とメモから、記事に使えそうな材料を整理する
  • 読者が知りたいことを質問リストにする
  • 記事タイトルの候補を出す
  • 導入文のたたき台を作る

自分で確認した方がいい部分

  • 道の駅の正式名称
  • 黒ごまソフトの商品名や価格
  • 営業時間、定休日、駐車場情報など、信頼できる情報で確認したいこと
  • 「混んでいた」をどこまで書くか

最初は、写真とメモをもとに「記事に使えそうな材料を整理する」ところから始めるのがおすすめです。

2. 面倒な作業を小さく分ける

次の作業を、AIに頼みやすい小さな作業に分けてください。
私は初心者なので、最初に頼むならどれがよいかも教えてください。

作業内容:
道の駅で食べた黒ごまソフトについて、ブログ記事を書きたい。
写真はあるが、文章の始め方がわからない。
営業時間や正式な商品名はまだ確認していない。

出力例

  1. 黒ごまソフトを食べたときの感想を短く書き出す
  2. 道の駅の雰囲気を、写真を見ながら言葉にする
  3. 読者が気にしそうなことを3つ出す
  4. 公式サイトや店頭表示など、信頼できる情報で確認するものを分ける
  5. 最後に導入文を作る

最初に頼むなら、1の「黒ごまソフトを食べたときの感想を短く書き出す」です。自分の体験が中心なので、AIに任せすぎずに始められます。

3. 自分の体験を残したまま下書きする

次のメモをもとに、ブログ記事の導入文を3案作ってください。
AIが知らない情報を勝手に足さないでください。
私が実際に見たこと、食べたことだけを使ってください。

メモ:
日曜日の午後に道の駅へ行った。
黒ごまソフトを食べた。
香ばしくて、甘さは強すぎなかった。
野菜売り場が広く、家族連れが多かった。
駐車場は少し混んでいた。

出力例

案1
日曜日の午後、道の駅で黒ごまソフトを食べました。香ばしさがあり、甘さは強すぎず、歩きながらでも食べやすい味でした。

案2
道の駅に立ち寄ったとき、気になっていた黒ごまソフトを選びました。野菜売り場が広く、家族連れも多いにぎやかな雰囲気の中で食べた一品です。

案3
駐車場が少し混んでいた日曜日の午後。道の駅でひと休みしながら、黒ごまソフトを食べました。香ばしさとほどよい甘さが印象に残っています。

4. 公開前に確認することを洗い出す

次のブログ記事メモを公開する前に、確認した方がいい情報をリストにしてください。
AIの想像で補わず、確認が必要なものは「要確認」と書いてください。

記事メモ:
道の駅で黒ごまソフトを食べた。
野菜売り場が広かった。
日曜日の午後は駐車場が混んでいた。
家族連れが多かった。
また行きたいと思った。

出力例

確認した方がいい情報

  • 道の駅の正式名称: 要確認
  • 黒ごまソフトの正式な商品名: 要確認
  • 営業時間と定休日: 要確認
  • 駐車場の台数や利用条件: 要確認
  • 黒ごまソフトの価格: 要確認

書き方で気をつけること

  • 「駐車場が混んでいた」は、日曜日の午後に行ったときの印象として書く
  • 「家族連れが多かった」は、いつもそうだと断定しない
  • 感想と確認が必要な情報を分けておく

5. 今日やることを1つに絞る

今日は30分だけブログ作業をします。
次の予定の中から、AIに相談すると一番進みそうなものを1つ選んでください。
選んだ理由と、最初に送る依頼文も作ってください。

今日の予定:
1. 道の駅の記事タイトルを考える
2. 黒ごまソフトの感想を文章にする
3. 公開前に確認する情報を整理する

出力例

今日やるなら、2. 黒ごまソフトの感想を文章にする、がおすすめです。

理由は、写真と記憶が残っているうちに、自分の体験を言葉にした方が記事の軸を作りやすいからです。タイトルや確認作業は、そのあとでも進められます。

最初に送る依頼文

「道の駅で黒ごまソフトを食べた感想を、ブログに使える短い文章にしてください。香ばしくて、甘さは強すぎなかったことを入れてください。確認していない情報は足さないでください。」

使いやすい返事にするコツ

この5つの依頼文では、すべて「誰が、何をしようとしているか」を入れています。AIに頼むときは、抽象的な言葉だけでなく、実際の場面を入れるほど返事が使いやすくなります。

出力をレビューする

返ってきた答えは、そのまま正解として受け取らずに次を見ます。

  • 自分が実際に見たこと、食べたこととずれていないか
  • 確認していない情報が、事実のように書かれていないか
  • 今日の自分が実際にできる大きさになっているか
  • 文章が派手すぎないか
  • このまま自分が使える言い方か

返事が合わないときの直し方

微妙な出力の例

「地元で長年愛される名物の黒ごまソフト。濃厚な風味が口いっぱいに広がり、訪れる人を虜にしています。豊かな自然に囲まれた道の駅は、休日には多くの家族連れでにぎわう人気スポットです。」

文章としては整っています。でも、ミカさんには使えません。「長年愛される名物」も「人気スポット」も確認していませんし、「虜にしています」はミカさんの感想ではありません。ミカさんが実際に書いたのは「香ばしくて、甘さは強すぎなかった」だけです。

そのときは、次のように頼み直します。

  • 確認していない情報は入れないでください
  • 私が実際に見たことだけで書き直してください
  • 感想と事実を分けてください
  • 断定を避けて、やわらかい表現にしてください
  • 読者が次に知りたくなる情報を3つ出してください

たとえば、次のようにそのまま頼み直せます。

先ほどの文章から、確認していない情報を削ってください。
「長年愛される」「人気」など、私が確かめていない評判は入れないでください。
私が実際に見たことと食べた感想だけで、もう一度書き直してください。
直したあとの出力

「日曜日の午後、道の駅で黒ごまソフトを食べました。香ばしさがあり、甘さは強すぎませんでした。野菜売り場は広く、その日は家族連れの姿が目立ちました。」

AIの返事が微妙なときは、そこで失敗ではありません。どこが合わないかを伝えると、次の返事を使いやすい方向に近づけられます。

小さな練習

今日は、ミカさんの例をそのまま使って試してください。まず「2. 面倒な作業を小さく分ける」の依頼文をコピーして、ChatGPTに貼り付けます。

返ってきた答えを読んだら、「最初にやるならどれですか」ともう一度聞いてください。

そのあと、道の駅と黒ごまソフトの部分を、自分の作業に置き換えます。メール返信でも、旅行のメモでも、買い物リストでもかまいません。置き換えた依頼文をもう一度送って、返ってきた分解メモを保存してください。それが今日の成果物です。

次へ進む目安

AIに頼むとき、「作業を小さく分ける」「具体的な場面を入れる」「確認が必要な情報を分ける」の3つを意識できたら、この回は十分です。

ここで作った作業分解メモは、第3回で複数の作業をまとめて分けるときの土台になります。AIへの不安が少し減って、目の前の作業を軽くする相談相手として見られたなら、次は「ChatGPTに最初の一言を送る」へ進みます。

同じブラウザ内に進捗を保存します。

更新メモ

2026-08-08 新方針でリライト