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AI活用基本講座

読者像を決める

第26回 4章 調べものと判断に使う 初級 15分

この回でできるようになること

  • 読みそうな人を3タイプ挙げて1人に決められる
  • その人の知りたいことと不安を出せる
  • 省ける内容を決められる

使うもの

ChatGPT

誰に向けて書くかが曖昧だと、文章もぼやけます。この回では、ナオさんが読者像を決めて、その人の疑問を書き出します。

この回で作るもの

読者メモ(1人分と、その人の疑問3つ)

読みそうな人を3タイプ挙げ、その中から1人に決めます。決めた人が知りたいことと不安に思うことを3つずつ書き出し、記事を書く前の指針にします。

今回の例

ナオさんの記事が、誰にも向いていない

ナオさんは「直売所の比較」を書き始めました。ところが書き進めるうちに、説明が長くなっていきます。移住を考えている人向けなのか、地元の人向けなのか、観光客向けなのか。全部に向けて書こうとして、どれにも届かない文章になりました。

書きかけの記事
直売所2か所の比較。行き方、品ぞろえ、立ち寄れる施設を書いた
書きながら迷ったこと
駅からの行き方を説明すべきか(地元の人には不要) / 移住相談の窓口に触れるべきか(観光客には不要) / 野菜の値段を書くべきか
止まっている理由
誰に向けて書くかを決めていないので、何を書いて何を省くかが決まらない

読者を決めると、省けるものが決まる

読者像を決める目的は、書くことを増やすためではありません。書かないことを決めるためです。

移住検討中の人に向けると決めれば、駅からの行き方は必要になり、地元の人向けの細かい情報は省けます。観光客向けなら逆です。1人に決めると、迷いが減ります。

  • 全員に向けて書くと、誰にも届かない
  • 読者を決めないと、何を省いてよいか判断できない
  • 細かく設定しすぎると、かえって使えない
  • 自分と同じ立場の人だけを想定すると、前提の説明が抜ける
細かく作りすぎません

読者像は、年齢や職業を細かく決める必要はありません。この回で決めるのは「その人が何を知りたいか」「何が不安か」だけです。それ以上細かくしても、記事を書くときには使いません。

AIに任せる部分と自分で見る部分

AIに頼みやすい

  • 読みそうな人のタイプを挙げる
  • それぞれの知りたいことを出す
  • 不安に思うことを出す
  • 読者を変えたときに省ける内容を示す

自分で見る

  • 誰に届けたいかの決定
  • その人が実際にいるかどうかの実感
  • 省く内容の最終判断
  • 自分が書ける範囲かどうか

進め方

  1. 記事のテーマを渡して、読みそうな人を3タイプ出してもらう
  2. 1人に決める
  3. その人が知りたいこと、不安に思うことを3つずつ出してもらう
  4. 省ける内容を確かめる
  5. 読者メモとして保存する

そのまま使える依頼文

1. 読みそうな人を3タイプ挙げる

「地域の直売所2か所を比べた記事」を書きます。
この記事を読みそうな人を3タイプ挙げてください。

・年齢や職業を細かく決めなくて構いません
・どんな状況でこの記事にたどり着くかを書いてください
・それぞれ、何を知りたくて読むかも一行で

出力例

  1. 移住を検討している人
    その地域の暮らしを調べる中でたどり着きます。買い物の便がどれくらいかを知りたくて読みます
  2. 近隣に住んでいて、まだ行ったことがない人
    「どちらに行こうか」と検索して読みます。品ぞろえと行きやすさの違いを知りたいです
  3. 旅行や帰省でその地域を訪れる人
    立ち寄り先を探して読みます。お土産になるものがあるかを知りたいです

3タイプとも知りたいことが違います。1は生活の便、2は使い分け、3はお土産です。

2. 決めた人の疑問と不安を出す

1番目の「移住を検討している人」に向けて書きます。

この人が知りたいことを3つ、不安に思うことを3つ挙げてください。
記事を読む前に頭にあることを想像して書いてください。
一般論ではなく、直売所に関して具体的にお願いします。

出力例

知りたいこと

  1. 車がなくても日常の買い物ができるか
  2. 野菜は毎日買えるのか、それとも決まった曜日だけか
  3. スーパーと比べて、何がどれくらい違うのか

不安に思うこと

  1. 直売所しかなくて、欲しいものが手に入らないのではないか
  2. 地元の人の場所に、よそから来た自分が入りにくいのではないか
  3. 冬に営業しているのか。雪の時期はどうなるのか

不安の2番目は、記事では触れにくい内容ですが、書き方の調子には影響します。よそ者を歓迎しない場所だと感じさせない書き方が必要です。

3. 省ける内容を確かめる

読者を「移住を検討している人」に決めました。
書きかけの記事に入れている内容のうち、省けるものを教えてください。

入れている内容:
・駅からの行き方
・品ぞろえの違い
・支払い方法
・移住相談の窓口が同じ建物にあること
・野菜の値段の例
・建物の外観の説明
・駐車場の広さ

省ける理由も一行ずつ書いてください。

出力例

残す

  • 駅からの行き方 — この読者はその地域に住んでいません。位置関係が分からないため必要です
  • 品ぞろえの違い — 「日常の買い物ができるか」に直接答えます
  • 移住相談の窓口 — この読者にとって、他では得にくい情報です
  • 野菜の値段の例 — 「スーパーと比べてどうか」の判断材料になります

省ける

  • 建物の外観の説明 — 写真があれば足ります。文章で説明する必要は小さいです
  • 駐車場の広さ — 車を持たない読者には関係が薄い情報です。ただし、車での移住を考える人もいるため、一言だけ残す選択もあります

判断が分かれる

  • 支払い方法 — 日常的に通うなら関係します。一言添える程度でよいと思われます

4. 前提の説明が抜けていないか見る

私はその地域に何度も行っているので、
読者には当たり前でないことを、当たり前として書いてしまうかもしれません。

「移住を検討している人」がこの記事を読んだとき、
説明がないと分からない言葉や前提があれば挙げてください。

記事の一部:
朝いちばんに行くと、地物の野菜が並んでいます。
奥の売り場には加工品もあります。
支払いのときに、袋は自分で用意する必要があります。

出力例

  • 「朝いちばん」 — 何時頃を指すのかが分かりません。開店時刻を添えると具体的になります
  • 「地物」 — 地元産という意味ですが、地域によって使わない言葉です。初出で言い換えを添えると親切です
  • 「加工品」 — 何を指すか分かりにくい言葉です。漬物、味噌、ジャムなど、例を1つ挙げると伝わります
  • 「袋は自分で用意する」 — 直売所では一般的ですが、初めて行く人には知らない前提です。ここは書いてあるので問題ありません

最初の3つは、その地域に慣れた人には自然でも、外から読む人には引っかかります。

5. 読者メモにまとめる

ここまでの内容を、1枚の読者メモにまとめてください。

・記事を書く前に読み返す用です
・10行以内にしてください
・「知りたいこと」「不安」「書かないこと」の3つを入れてください
・次の記事でも使い回せる形にしてください

出力例

■ 読者メモ:移住を検討している人

【状況】
その地域の暮らしを調べている。まだ住んでいない。土地勘がない。

【知りたいこと】
・車がなくても日常の買い物ができるか
・毎日買えるのか、決まった曜日だけか
・スーパーと比べてどう違うか

【不安】
・欲しいものが手に入らないのではないか
・よそから来た自分が入りにくいのではないか
・冬はどうなるのか

【書かないこと】
・建物の外観の細かい説明(写真に任せる)
・地元の人だけが分かる言葉(地物、朝いちばん など)

この10行を記事を書く前に読むと、書くことと省くことが決まります。

出力をレビューする

  • 読者が1人に決まっているか
  • 知りたいことが、記事のテーマに関して具体的か
  • 省く内容が決まっているか
  • 自分に当たり前の言葉が、説明なしで残っていないか
  • 実際にそういう人がいると思えるか

返事が使いにくかったときの直し方

微妙な出力の例

「ペルソナ設定:田中さん(38歳・男性・IT企業勤務・妻と子ども2人・世帯年収650万円・趣味はキャンプ・情報収集はInstagram中心・意思決定は妻と相談して行う・将来的にはFIREを目指している)」

細かく設定されていますが、記事を書くときに使う情報がありません。年収も趣味もFIREも、直売所の記事とは関係がありません。知りたいことも不安も書かれていないので、何を書いて何を省くかが決まりません。

細かい設定は、記事を書くときに使いません。

・年齢、性別、年収、趣味、家族構成は不要です
・カタカナの用語(ペルソナ、FIRE)を使わないでください
・その人が「何を知りたいか」「何が不安か」だけ書いてください
・直売所の記事に関係することに絞ってください

3つずつでお願いします。
直したあとの出力

「知りたいこと: 1. 車がなくても日常の買い物ができるか 2. 毎日買えるのか、決まった曜日だけか 3. スーパーと比べてどう違うか。不安: 1. 欲しいものが手に入らないのではないか 2. よそから来た自分が入りにくいのではないか 3. 冬はどうなるのか。」

読者像を頼むと、細かい人物設定が返ってくることがあります。「知りたいこと」と「不安」だけに絞ると、記事を書くときに使える形になります。

小さな練習

これから書く記事、または書きかけの記事のテーマを1つ決めてください。

依頼文1を送って、読みそうな人を3タイプ出してもらいます。1人に決めたら、依頼文2でその人の知りたいことと不安を出してもらってください。1つでも「これは書こう」と決まれば、この回は完了です。

次へ進む目安

記事を書く前に「誰に向けて書くか」を1人に決められたら十分です。ここで作った読者メモは、第28回で読者の疑問リストを作るとき、第35回でタイトルを考えるときに使います。

次は「同じテーマの切り口を変える」へ進みます。似た記事にならないための工夫です。

同じブラウザ内に進捗を保存します。

更新メモ

2026-08-08 新方針でリライト