見出しは、記事の骨組みです。この回では、ハルさんが手元の材料だけで埋まる見出しを作ります。
この回で作るもの
中身まで決まったH2見出し
見出しを並べるだけでなく、その下に何を書くかを1行ずつ添えた形で作ります。書き始めたときに「何を書くんだっけ」と止まらない状態にします。
今回の例
ハルさんの見出しが、書ける内容と合っていない
ハルさんは導入文を決めました。次は見出しです。ところが、思いついた見出しを並べてみると、その下に書くことが浮かびません。見出しは立派なのに、中身がないのです。
- 思いついた見出し
- 「和菓子店の魅力」「栗どら焼きのこだわり」「アクセスと営業時間」「まとめ」
- 手元の材料
- 栗どら焼き260円 / 皮がふんわり、あんは甘さ控えめ / 平日午後は空いていた / 窓際から通りが見えた / 包み方を丁寧に教えてもらった / 駅から歩いて7分
- 気づいたこと
- 「こだわり」は聞いていない。営業時間は確認していない。「魅力」は自分の感想でしかない
- 止まっている理由
- 見出しの数も、粒度も、どう決めればいいか分からない
見出しは、材料から作る
ハルさんの見出しは、記事の型から作られています。「魅力」「こだわり」「アクセス」「まとめ」は、店の紹介記事によくある並びです。だから立派に見えます。しかし、その下に入る材料がありません。
順番を逆にします。先に材料を並べて、そこから見出しを作ります。材料が2つ以上ある話題は見出しになり、1つしかない話題は本文の中の一文になります。
- 見出しから作ると、書けない見出しができる
- 「まとめ」は、書くことがないまま置かれることが多い
- 見出しが多いと、それぞれの中身が薄くなる
- 材料が1つしかない話題を見出しにすると、1行で終わる
材料が6項目なら、見出しは3つか4つで足ります。見出しの数は、記事の長さではなく材料の量で決めます。
AIに任せる部分と自分で見る部分
AIに頼みやすい
- 材料を話題ごとにまとめる
- 見出しの候補を出す
- 各見出しに入る材料を割り当てる
- 材料が足りない見出しを指摘する
自分で見る
- その見出しの下に書けるか
- 見出しの言葉が自分の記事に合っているか
- 読む順番として自然か
- 削る見出しの判断
進め方
- 材料を全部書き出す
- 話題ごとにまとめてもらう
- 2項目以上ある話題を見出しにする
- 各見出しの下に書くことを1行ずつ添えてもらう
- 書けない見出しを削る
そのまま使える依頼文
1. 材料から見出しを作る
記事の見出し(H2)を作ります。
手元の材料は次の6つだけです。
・栗どら焼き 1個260円
・皮はふんわり、あんは甘さ控えめ
・平日の午後は空いていた
・窓際の席から通りが見えた
・包み方を丁寧に教えてもらった
・駅から歩いて7分
この材料だけで書ける見出しを作ってください。
材料が2つ以上ある話題だけを見出しにしてください。
各見出しに、どの材料を使うかも書いてください。
出力例
- 駅から歩いて7分、平日の午後の店内
使う材料: 駅から7分 / 平日午後は空いていた / 窓際から通りが見えた(3項目) - 栗どら焼きは1個260円
使う材料: 260円 / 皮はふんわり、あんは甘さ控えめ(2項目) - 包み方を教えてもらう
使う材料: 包み方を丁寧に教えてもらった(1項目)
3は材料が1つしかありません。見出しにすると1行で終わるため、2の中に含めるか、記事の最後に一文として置くほうが自然です。
結果として、見出しは2つで足ります。
2. 書ける内容を1行ずつ添える
2つの見出しそれぞれについて、
その下に書く内容を1行ずつ書いてください。
・私の材料の範囲を超えないでください
・「魅力を伝える」のような曖昧な書き方をしないでください
・実際に書く文の内容を書いてください
出力例
駅から歩いて7分、平日の午後の店内
- 駅からの道のりと、かかった時間
- 平日の午後に着いたときの、店内の混み具合
- 窓際の席から見えた通りの様子
栗どら焼きは1個260円
- 買った商品と価格
- 皮の食感(ふんわり)
- あんの甘さ(控えめ)と、そのために栗の味がどう感じられたか
- 包み方を教えてもらったこと
2つ目の見出しに材料が4つ入りました。分量に偏りがありますが、記事の中心が商品なので不自然ではありません。
3. 書けない見出しを指摘してもらう
最初に自分で考えた見出しがあります。
私の材料で書けるかどうか、1つずつ見てください。
1. 和菓子店の魅力
2. 栗どら焼きのこだわり
3. アクセスと営業時間
4. まとめ
書けないものは、なぜ書けないかも書いてください。
書ける形に直せるものは、直した案も出してください。
出力例
- 1. 和菓子店の魅力 — 書けません。「魅力」はあなたの評価であり、材料にありません。直すなら「平日の午後の店内」のように、見たことを見出しにしてください
- 2. 栗どら焼きのこだわり — 書けません。作り手のこだわりは聞いていません。直すなら「栗どら焼きは1個260円」のように、確かめたことを見出しにしてください
- 3. アクセスと営業時間 — 半分書けません。駅から7分は書けますが、営業時間は確認していません。直すなら「駅から歩いて7分」までにしてください
- 4. まとめ — 書く内容がありません。材料はすべて他の見出しで使われます。まとめを置くなら、記事の最後に1、2文を見出しなしで添えるほうが自然です
4. 見出しの言葉をそろえる
2つの見出しの言い方をそろえたいです。
・体言止めか、文の形か、どちらかに統一してください
・ひねった言い方はしないでください
・15字前後にしてください
・2案ずつ出してください
出力例
体言止めでそろえる
- 駅から歩いて7分、平日午後の店内
- 1個260円の栗どら焼き
文の形でそろえる
- 駅から歩いて7分の店に、平日の午後に着きました
- 栗どら焼きは1個260円でした
本文が「〜ました」の調子であれば、文の形のほうがつながります。一覧や目次に表示される場合は、体言止めのほうが短く収まります。
5. 材料が足りない箇所を出してもらう
この見出し2つで記事を書くと、短くなりそうです。
材料を足すとしたら、私が確認できるものはどれですか。
・私が思い出せば書けるもの
・店に確認すれば書けるもの
・調べても書けないもの
の3つに分けてください。
無理に足す提案はしないでください。
出力例
思い出せば書けるもの
- 店に入ったときの匂いや音
- 他にどんな商品が並んでいたか
- 包み紙や袋の見た目
- 家で食べたときの状況(いつ、何と一緒に)
店に確認すれば書けるもの
- 営業時間、定休日
- 栗どら焼きが通年の商品か、季節限定か
調べても書けないもの
- 作り手のこだわりや思い(直接うかがう必要があります)
- 他の客がどう感じたか
思い出せば書けるものが4つあります。記事を厚くするなら、まずここから足すのが確実です。
出力をレビューする
- 各見出しの下に、材料が2つ以上あるか
- 確かめていないことを見出しにしていないか
- 「魅力」「こだわり」のような評価の言葉が入っていないか
- 見出しの言い方がそろっているか
- 見出しの数が、材料の量に合っているか
返事が使いにくかったときの直し方
「1. 老舗和菓子店の歴史と伝統 2. 職人が手作りする栗どら焼きの製法 3. 素材へのこだわりと産地 4. 店主が語る和菓子への想い 5. アクセス・営業時間・駐車場情報 6. まとめ:訪れるべき理由」
ハルさんの材料は6項目です。この6見出しのうち、書けるのは5の一部(駅から7分)だけです。歴史も製法も産地も想いも、一度も聞いていません。よくある店紹介記事の型が、材料と無関係に返ってきています。
この見出しは、私の材料と関係がありません。
・歴史、製法、産地、店主の想いは、一度も聞いていません
・営業時間と駐車場も確認していません
・「まとめ:訪れるべき理由」は、店をすすめる形なので使いません
私が渡した6項目の材料だけで見出しを作ってください。
材料が2つ以上ある話題だけを見出しにしてください。
足りない情報を補う提案は不要です。
「見出しは2つで足ります。1. 駅から歩いて7分、平日午後の店内(材料3項目) 2. 1個260円の栗どら焼き(材料3項目)。包み方の話は、2つ目の見出しの中に含めてください。」
見出しを頼むときは、材料を先に渡して「この範囲だけで」と伝えます。渡さずに頼むと、その分野でよくある見出しの型が返ってきます。
小さな練習
書きたい記事の材料を、箇条書きで書き出してください。5つでも10個でもかまいません。
その材料で依頼文1を送り、見出しを作ってもらいます。次に依頼文2で、各見出しの下に書くことを1行ずつ添えてもらってください。「これなら書ける」と思えたら、この回は完了です。
次へ進む目安
見出しを見て、その下に書く材料が浮かぶなら十分です。ここでやった「材料から見出しを作る」やり方は、第31回で記事の構成を作るときにそのまま使います。
次は「読みにくい文章を直す」へ進みます。骨組みができたので、書いた文章を整える作業です。