使えた依頼文が増えると、今度は探せなくなります。この回では、ユイさんがたまった依頼文を整理して、次から呼び出せる自分用のプロンプト集にします。
この回で作るもの
3つに分類した自分用プロンプト集
手元にたまった依頼文を用途で分け、名前と使いどころを付けたプロンプト集を作ります。使っていないものは外し、実際に呼び出せる数まで絞ります。
今回の例
ユイさんの依頼文が、探せない場所に散らばっている
記事を1本仕上げる間に、使えた依頼文がいくつも増えました。ところが、保存先がばらばらです。先週使ったはずの依頼文を探して、結局また一から書いた日もありました。
- たまっている依頼文
- 構成を作る / 断定を抜き出す / 事実の確認先を出す / 5観点で点検する / 画像生成の依頼文を作る / アイキャッチ案を出す / タイトルを5案作る / メタ説明を書く
- 保存先
- スマホのメモアプリに4つ、ブラウザのブックマークに2つ、AIの過去の会話の中に2つ
- 使用状況
- よく使うのは構成と断定と5観点の3つ。メタ説明は1度しか使っていない
- 止まっている理由
- 整理したいが、どう分ければいいのか分からない
分類は、作業の流れに合わせる
依頼文の分類でつまずくのは、内容で分けようとするからです。「文章系」「画像系」と分けても、実際に探すときには役に立ちません。記事を書いている最中に探すのは、内容ではなく「今どの工程にいるか」だからです。
第36回で作った手順書を思い出してください。作業は「作る」「確かめる」「仕上げる」の3つの段階に分かれていました。プロンプト集も同じ順で並べると、手順書を見ながら呼び出せます。
- 保存先が複数あると、探すこと自体をあきらめる
- 数が増えすぎると、結局最初の3つしか使わない
- 名前を付けていないと、中身を読むまで何の依頼文か分からない
- いつ使うかを書いていないと、使う場面で思い出せない
AIに任せる部分と自分で見る部分
AIに頼みやすい
- 依頼文を作業の段階で分類する
- それぞれに短い名前を付ける
- 使いどころを一行で書く
- 似ている依頼文をまとめる
自分で見る
- 残す、捨てる、直すの判断
- 保存先を1か所に決めること
- 実際に使った回数の記憶
- 名前が自分にとって思い出しやすいか
第10回では、うまくいった使い方を記録するノートを作りました。あれが8か月分たまった状態が、今回の出発点です。記録は増えるほど価値が下がるので、定期的に減らす作業がセットになります。
進め方
- 散らばっている依頼文を1か所に集める
- 作業の段階で分類してもらう
- 名前と使いどころを付けてもらう
- 使っていないものを外す
- 手順書と同じ場所に保存する
そのまま使える依頼文
1. 作業の段階で分類する
ブログを書くときに使っている依頼文が8個たまりました。
これを、記事を書く作業の流れに沿って分類してください。
1. 写真とメモから記事の構成を作る
2. 本文から断定している箇所を抜き出す
3. 事実の確認先をリストにする
4. 5観点(事実・言いすぎ・誤解・権利・プライバシー)で点検する
5. 画像生成の依頼文を作る
6. アイキャッチ案を3つ出す
7. タイトルを5案作る
8. メタ説明を120字前後で書く
内容で分けるのではなく、作業のどの段階で使うかで分けてください。
分類は3つか4つにしてください。
出力例
A. 作るとき(記事の中身を組み立てる)
- 1. 写真とメモから記事の構成を作る
B. 確かめるとき(公開してよい状態にする)
- 2. 本文から断定している箇所を抜き出す
- 3. 事実の確認先をリストにする
- 4. 5観点で点検する
C. 仕上げるとき(記事の入り口を作る)
- 5. 画像生成の依頼文を作る
- 6. アイキャッチ案を3つ出す
- 7. タイトルを5案作る
- 8. メタ説明を書く
Bの3つは、いずれも公開前に連続して使う依頼文です。まとめて呼び出せる形にしておくと、確認作業が1回で済みます。
2. 名前と使いどころを付ける
分類した8個の依頼文に、次の2つを付けてください。
・短い名前(10字以内。あとで探すときの見出しになります)
・使いどころ(いつ開くかを一行で)
表にしてください。列は「分類」「名前」「使いどころ」の3つです。
名前は、私が数か月後に見ても中身を思い出せる言葉にしてください。
出力例
| 分類 | 名前 | 使いどころ |
|---|---|---|
| A 作る | 構成づくり | 写真とメモが揃って、記事を書き始める前に開く |
| B 確かめる | 断定さがし | 本文を書き終えた直後に開く |
| B 確かめる | 確認先だし | 事実を書いた箇所が残っているときに開く |
| B 確かめる | 5観点点検 | 公開ボタンを押す前に開く |
| C 仕上げる | 画像の依頼文 | アイキャッチの方向が決まってから開く |
| C 仕上げる | アイキャッチ案 | 本文が固まって、画像を決めるときに開く |
| C 仕上げる | タイトル5案 | 本文とアイキャッチが決まってから開く |
| C 仕上げる | メタ説明 | タイトルを決めた直後に開く |
3. 使っていないものを外す
この8個のうち、実際の使用状況は次のとおりです。
よく使う: 構成づくり、断定さがし、5観点点検
たまに使う: タイトル5案、アイキャッチ案
1度しか使っていない: メタ説明、画像の依頼文
ほとんど使っていない: 確認先だし
この状況をふまえて、集を整理してください。
外す候補と、外さずに他とまとめる候補に分けてください。
使用回数が少ないというだけで、すぐ捨てないでください。
出力例
まとめる候補
- メタ説明 → タイトル5案に統合
どちらもタイトルを決める場面で使います。1つの依頼文の中で両方を頼めば、開く回数が減ります - 確認先だし → 5観点点検に統合
5観点の「事実」の中で確認先まで出してもらえば、別に持つ必要がありません
残す候補
- 画像の依頼文 — 使用は1回ですが、記事に画像を使うたびに必要になります。使う頻度ではなく、必要になる場面があるかで判断してください
統合すると6個になります。分類ごとに2個ずつで、探しやすい数です。
4. 統合した依頼文を作り直す
「タイトル5案」と「メタ説明」を1つの依頼文にまとめてください。
元の条件は次のとおりです。
タイトル:
・絶対、必見、衝撃、神、話題の、驚愕、〜すぎる、まさかの は使わない
・感嘆符と疑問形は使わない
・本文にない出来事や感情を足さない
・30字前後、5案、型の名前を添える
メタ説明:
・120字前後、本文にある情報だけ、タイトルの繰り返しにしない
・行動をうながす言い方をしない
そのままコピーして貼れる形にしてください。
記事の内容は毎回変わるので、そこだけ入れ替える形にしてください。
出力例
次の記事のタイトルとメタ説明を作ってください。
【記事の内容】
10時半までのモーニングに間に合わず、11時すぎに和菓子屋へ着きました。かわりに厚切りトーストを食べ、栗どら焼きは持ち帰りました。落ち着いた記事にしたいです。
【タイトル】
5案、それぞれ型を変えて、30字前後で。型の名前も添えてください。
絶対、必見、衝撃、神、話題の、驚愕、〜すぎる、まさかの は使わない。
感嘆符と疑問形は使わない。
本文に書いていない出来事や感情を足さない。
【メタ説明】
選びやすいよう2案。120字前後。
本文にある情報だけを使う。タイトルの繰り返しにしない。
行動をうながす言い方をしない。
「記事の内容」だけを毎回書き換えれば使えます。条件は固定されているので、考え直す必要がありません。
5. 集を1枚にまとめる
整理した6個を、1枚のプロンプト集にしてください。
条件:
・分類ごとに見出しを付ける
・各依頼文に、名前と使いどころを添える
・依頼文の本体は、コピーしてすぐ使える形で載せる
・冒頭に、どこから開くかの目次を付ける
テキストファイルに保存して使います。
出力例
■ わたしのプロンプト集
【目次】
A 作る … 構成づくり
B 確かめる … 断定さがし / 5観点点検
C 仕上げる … アイキャッチ案 / 画像の依頼文 / タイトルとメタ説明
────────────────
A 作る
────────────────
◆ 構成づくり
使いどころ: 写真とメモが揃って、記事を書き始める前
(依頼文の本体)
────────────────
B 確かめる
────────────────
◆ 断定さがし
使いどころ: 本文を書き終えた直後
(依頼文の本体)
◆ 5観点点検
使いどころ: 公開ボタンを押す前
(依頼文の本体)
目次を冒頭に置くと、探すときにファイル全体を読まずに済みます。手順書と同じ場所に保存すると、公開作業のときに両方開けます。
出力をレビューする
- 分類が、実際の作業の順番と合っているか
- 名前を見て、中身を思い出せるか
- 使っていない依頼文が残っていないか
- 統合した依頼文が、元の条件を落としていないか
- 保存先が1か所になっているか
返事が使いにくかったときの直し方
「プロンプト集を体系化しましょう。目的別(情報収集/生成/編集/分析)、難易度別(初級/中級/上級)、出力形式別(箇条書き/表/文章)の3軸でタグ付けし、検索性を高めることをおすすめします。テンプレート化により再現性が向上します。」
整理としては筋が通っています。しかし、依頼文は6個しかありません。6個に3軸のタグを付けても、探しやすくはなりません。管理そのものが作業になり、そのうち更新されなくなります。
依頼文は6個しかありません。
3軸のタグ付けは、この数には合っていません。
・分類は3つまでにしてください
・タグは付けないでください
・管理のための作業を増やさないでください
私が探すのは、記事を書いている最中です。
そのときに開ける形を優先してください。
「6個であれば、作業の順に3つ並べるだけで十分です。A 作る(構成づくり) / B 確かめる(断定さがし、5観点点検) / C 仕上げる(アイキャッチ案、画像の依頼文、タイトルとメタ説明)。冒頭に目次を置けば、記事を書きながら開けます。」
整理の仕組みは、対象の数に合わせます。数が少ないうちに凝った管理を入れると、更新が止まります。増えてきたら、そのときに分類を足せば間に合います。
小さな練習
これまでに使った依頼文を、思い出せるだけ1か所に集めてください。3個でも5個でもかまいません。メモアプリでも、テキストファイルでも大丈夫です。
集めたら依頼文1を送って分類してもらい、依頼文2で名前と使いどころを付けます。名前が付いたら、1つのファイルに保存してください。それが今日の成果物です。
次へ進む目安
次に記事を書くとき、この集を開けばよいと言えるなら十分です。この集は、第38回の週次ルーティンに組み込み、第40回の30日レビューで使っていないものを外します。
次は「週1回のAI活用ルーティンを作る」へ進みます。道具が揃ったので、それを使う時間を決めます。