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AI活用基本講座

比較表で迷いを見える化する

第23回 4章 調べものと判断に使う 初級 15分

この回でできるようになること

  • 比べる軸を決められる
  • 優劣を書かない比較表を作れる
  • 軸の重みを自分で決められる

使うもの

ChatGPT、表計算ソフト

2つの候補で迷うのは、比べる軸が決まっていないからです。この回では、ナオさんが比較表を作って、迷いを目に見える形にします。

この回で作るもの

優劣を書かない比較表

2つの候補を5つの軸で並べた表を作ります。どちらが良いかはAIに決めさせず、表を見て自分で選びます。

今回の例

ナオさんが、2つの直売所で決めきれない

ナオさんは、地域の直売所を記事にしようとしています。候補が2か所あり、どちらも訪ねました。ところが1週間たっても、どちらを記事にするか決まりません。

候補A(駅前の直売所)
駅から徒歩3分 / 朝7時開店 / 品数は少なめ / 現金のみ / 移住相談の窓口が同じ建物にある
候補B(郊外の直売所)
駅から車で15分 / 朝9時開店 / 品数が多い / 電子決済も使える / 加工品の売り場が広い
迷っていること
Aは行きやすいが品数が少ない。Bは品揃えが良いが車が要る。どちらも記事にできそう
止まっている理由
何を基準に比べればいいのか分からない

迷いは、軸が決まると小さくなる

ナオさんは「Aは行きやすい、Bは品揃えが良い」と、違う軸で2つを比べています。これでは決まりません。行きやすさと品揃えは、どちらが大事とも言えないからです。

比較表を作ると、この状態が目に見えます。同じ軸で並べると、どこが違うのかが分かります。そのうえで「自分にとってどの軸が大事か」を決めれば、選べます。

  • 違う軸で比べると、いつまでも決まらない
  • 軸が多すぎると、かえって迷いが増える
  • AIに「どちらがおすすめ?」と聞くと、判断を渡すことになる
  • 優劣が書かれた表を見ると、自分で考えなくなる
AIに勝敗をつけさせません

比較を頼むと、AIは結論を出したがります。「どちらが良いかは決めないでください」と先に伝えておくのが要点です。決めるのは、自分の事情を知っている自分だけです。

AIに任せる部分と自分で見る部分

AIに頼みやすい

  • 比べる軸を提案する
  • 同じ軸で情報を並べる
  • 表の形に整える
  • 情報が足りない欄を指摘する

自分で見る

  • どの軸が自分にとって大事か
  • 最終的にどちらを選ぶか
  • 表に入れた情報が確かめたものか
  • 読者にとって役立つ軸かどうか

進め方

  1. 2つの候補の情報を並べて渡す
  2. 比べる軸を5つ提案してもらう
  3. 軸ごとに情報を並べて表にしてもらう
  4. 足りない欄を確かめる
  5. 大事な軸を自分で決めて、選ぶ

そのまま使える依頼文

1. 比べる軸を提案してもらう

直売所を2か所訪ねました。どちらを記事にするか決めかねています。

【候補A 駅前】
駅から徒歩3分 / 朝7時開店 / 品数は少なめ / 現金のみ / 移住相談の窓口が同じ建物にある

【候補B 郊外】
駅から車で15分 / 朝9時開店 / 品数が多い / 電子決済も使える / 加工品の売り場が広い

この2つを比べる軸を5つ提案してください。
どちらが良いかは決めないでください。軸だけ出してください。

出力例

  1. 行き方 — 徒歩か車か、所要時間
  2. 開いている時間 — 開店時刻
  3. 買えるもの — 品数と種類
  4. 支払い方法 — 現金のみか、他の方法も使えるか
  5. ほかにできること — 直売所以外の機能(窓口、加工品売り場など)

5つとも、どちらの候補にも当てはまる軸です。片方にしかない要素(移住相談の窓口、加工品売り場)は、5番目の軸にまとめました。

2. 優劣をつけずに表にする

5つの軸で比較表を作ってください。

条件:
・列は「軸」「候補A 駅前」「候補B 郊外」の3つ
・どちらが良いかは書かないでください
・「◎」「○」「△」などの記号で評価しないでください
・事実だけを並べてください
・私が渡していない情報は書かないでください

出力例

候補A 駅前候補B 郊外
行き方駅から徒歩3分駅から車で15分
開いている時間朝7時開店朝9時開店
買えるもの品数は少なめ品数が多い
支払い方法現金のみ電子決済も使える
ほかにできること同じ建物に移住相談の窓口加工品の売り場が広い

評価の記号は使っていません。閉店時刻や定休日は、いただいた情報にないため空欄にしていません。必要であれば確認して追加してください。

3. 足りない情報を指摘してもらう

この表で、片方にしか情報がない軸や、
確かめていないと書けない箇所があれば教えてください。

私が確認できるのは、それぞれの公式サイト、店頭の掲示、電話です。
確認しないまま記事に書くと問題になりそうな箇所には、印を付けてください。

出力例

片方にしか情報がない軸

  • 「ほかにできること」 — Aの移住相談窓口とBの加工品売り場は、性質が違います。同じ軸で並べると比べにくいので、それぞれ別の項目として扱うほうが正確です

確認が必要な箇所

  • 印 開店時刻(A 7時 / B 9時) — 季節で変わることがあります。公式サイトか電話でご確認ください
  • 印 支払い方法 — 導入や中止があり得ます。訪問時の掲示を思い出せない場合は、再確認をおすすめします
  • 「品数が少なめ / 多い」 — あなたが訪ねた日の印象です。曜日や時間帯で変わるため、「わたしが行った日は」と添えると正確になります

4. 軸に重みを付けて考える

私の状況は次のとおりです。

・車は運転できるが、普段は使わない
・朝は早く動ける
・記事の読者は、移住を検討している人を想定している

この状況で、5つの軸のうちどれが重くなるかを整理してください。
どちらを選ぶかは決めないでください。
重みの考え方だけ教えてください。

出力例

重くなる軸

  • 行き方 — 車を普段使わないなら、徒歩3分と車15分の差は日常の使いやすさに直結します
  • ほかにできること — 読者が移住検討中なら、移住相談の窓口が同じ建物にあることは、他では得にくい情報です

軽くなる軸

  • 開いている時間 — 朝早く動けるなら、7時でも9時でも大きな差になりません
  • 支払い方法 — 現金を持っていけば済む差です

判断が分かれる軸

  • 買えるもの — あなたが何を買いたいかによります。日常の野菜なら品数は少なくても足り、加工品を探すなら多いほうが向きます

5. 読者向けの表に作り直す

この比較表を、記事に載せる形にしたいです。

・読者は移住を検討している人です
・どちらが良いかは書かず、読者が選べる表にしてください
・確認できていない項目は表から外してください
・表のあとに添える一文も考えてください(1文だけ)

出力例

駅前の直売所郊外の直売所
行き方駅から徒歩3分駅から車で15分
品ぞろえ(訪問日)野菜が中心。品数は少なめでした野菜に加えて加工品も。品数は多めでした
あわせて立ち寄れる同じ建物に移住相談の窓口加工品の売り場

表のあとの一文: 「開店時刻や支払い方法は変わることがあるため、お出かけ前に公式の案内でご確認ください。」

確認できていない開店時刻と支払い方法は、表から外しました。品ぞろえには「訪問日」と添えて、その日の様子だと分かるようにしています。

出力をレビューする

  • どちらが良いという評価が入っていないか
  • 記号による採点が混ざっていないか
  • 両方の候補に同じ軸が適用されているか
  • 確かめていない情報が表に入っていないか
  • その日の印象が、常にそうであるかのように書かれていないか

返事が使いにくかったときの直し方

微妙な出力の例

「総合評価では候補Bをおすすめします。品ぞろえ◎、支払い方法◎、施設の充実度◎と、多くの項目で優位です。候補Aはアクセス面では有利ですが、総合的な満足度ではBに軍配が上がるでしょう。ぜひBを記事にしてみてください。」

頼んでいない結論が返ってきました。記号で採点され、「軍配が上がる」と勝敗までついています。しかも、ナオさんが車を普段使わないという事情は考慮されていません。この表を見ても、ナオさんは自分で考えられなくなります。

どちらが良いかは、私が決めます。

・おすすめや総合評価を書かないでください
・◎○△などの記号で採点しないでください
・「優位」「軍配が上がる」のような勝敗の言葉を使わないでください
・私が渡した事実だけを、同じ軸で並べてください

表だけ出してください。結論は不要です。
直したあとの出力

「行き方: A 駅から徒歩3分 / B 駅から車で15分。開いている時間: A 朝7時 / B 朝9時。買えるもの: A 品数は少なめ / B 品数が多い。支払い方法: A 現金のみ / B 電子決済も使える。ほかにできること: A 移住相談の窓口 / B 加工品の売り場。」

比較を頼むと、ほぼ必ず結論が付いてきます。「決めるのは私です」「結論は不要」と最初に書いておくと、表だけが返ってきます。

小さな練習

今、2つで迷っているものを思い浮かべてください。買い物でも、行き先でも、記事のテーマでもかまいません。

それぞれの特徴を3つずつ書き出して、依頼文1を送ります。軸が5つ出てきたら、依頼文2で表にしてもらってください。表を見て、自分がどの軸を重く見ているか気づけたら、この回は完了です。

次へ進む目安

迷ったときに「どの軸で比べているか」を言えたら十分です。ここで作った表の形は、第30回でAIに決めさせず判断材料を出すときにも使います。

次は「メリットとデメリットを整理する」へ進みます。2つを比べるのではなく、1つのことの両面を見る作業です。

同じブラウザ内に進捗を保存します。

更新メモ

2026-08-08 新方針でリライト