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AI活用基本講座

毎回使う小さな型を作る

第9回 2章 頼み方の基本を作る 初級 12分

この回でできるようになること

  • 過去の依頼文から共通条件を取り出せる
  • 書き換える場所を2か所に絞った型を作れる
  • 使ってみて合わない箇所を直せる

使うもの

ChatGPT

毎回ゼロから頼み方を考えると疲れます。この回では、ミカさんが自分の実際の作業から、繰り返し使える依頼文の型を作ります。

この回で作るもの

毎回使える、自分の定番依頼文3つ

これまでのやりとりの中で効いた頼み方を、型として取り出します。毎回変える場所と、固定しておく条件を分けた形で3つ作ります。

今回の例

ミカさんが、毎回同じ説明を書き直している

ミカさんはAIを使うのに慣れてきました。ところが、使うたびに「私はAI初心者で、道の駅の記事を書いていて、確認していない情報は入れないでほしくて」と一から説明しています。前回と同じ条件を思い出すのに、毎回3分かかります。

よく頼む作業
1. メモから短い文章を作る / 2. AIが足した表現を削る / 3. 公開前に確認が必要な箇所を出す
毎回書いている条件
「確認していない情報は足さないでください」「私が書いていないことは入れないでください」「大げさな言い方は避けてください」
止まっている理由
条件を書き忘れると変な返事が来る。でも毎回書くのは面倒

型は、穴埋めの用紙ではありません

「型を作る」と聞くと、空欄だらけの用紙を思い浮かべるかもしれません。それでは使えません。空欄を埋める作業が、また考える作業になるからです。

ここで作るのは、ミカさんの実際の作業から取り出した文です。毎回変えるのは題材の1か所だけで、条件の部分は書いたまま固定します。だから、開いてコピーして、1行だけ入れ替えれば送れます。

  • 毎回書く条件は、書き写すのではなく型に埋め込む
  • 変える場所は1つか2つに絞る
  • 実際に3回以上使った頼み方だけを型にする
  • 使ってみて合わなければ、その場で書き換える
第5回で残したメモを使います

第5回で、会話ごとに「効いた頼み方」を3行メモに残しました。その2行目に書いた文が、そのまま型の材料になります。残していない場合は、思い出せる範囲で大丈夫です。

AIに任せる部分と自分で見る部分

AIに頼みやすい

  • 過去の依頼文から共通部分を取り出す
  • 毎回変える場所を見つける
  • 条件を整理してまとめる
  • 型として並べ直す

自分で見る

  • その頼み方を本当によく使うか
  • 条件が自分の望みと合っているか
  • 実際に1回使ってみる
  • 合わなければ書き換える

進め方

  1. よく頼む作業を3つ書き出す
  2. 過去に送った依頼文を、思い出せる範囲で貼る
  3. 共通部分と変わる部分に分けてもらう
  4. 型の形にしてもらう
  5. 1つだけ実際に使ってみて、直す

そのまま使える依頼文

1. 共通部分を取り出す

私が過去に送った依頼文を3つ貼ります。
この3つに共通して入っている条件を取り出してください。
毎回変えている部分も、あわせて教えてください。

1つ目:
次のメモをもとに、ブログ記事の導入文を3案作ってください。
確認していない情報は足さないでください。私が見たことだけを使ってください。

2つ目:
次の感想メモから、短い紹介文を作ってください。
私が書いていないことは入れないでください。大げさな言い方は避けてください。

3つ目:
この記事メモを公開する前に、確認したほうがいい情報をリストにしてください。
想像で補わず、確認が必要なものは「要確認」と書いてください。

出力例

3つに共通する条件

  • あなたが確認していない情報を足さない
  • あなたが書いた内容の範囲を超えない
  • 推測した部分は、推測だと分かるようにする

毎回変えている部分

  • 素材(メモ、感想、記事メモ)
  • してほしいこと(導入文を作る、紹介文を作る、確認項目を出す)
  • 出力の形(3案、短い文、リスト)

共通条件は3つとも同じ趣旨なので、1つの文にまとめられます。

2. 型の形にしてもらう

取り出した共通条件を使って、毎回使える型を作ってください。

条件:
・私が毎回書き換えるのは、素材と「してほしいこと」の2か所だけにする
・共通条件は、毎回書かなくて済むよう型に書き込んでおく
・空欄を増やさない。書き換える場所は2か所まで
・そのままコピーして貼れる形にする

出力例

次の素材をもとに、【してほしいこと】をお願いします。

【素材】
道の駅で黒ごまソフトを食べました。香ばしくて、甘さは強すぎませんでした。野菜売り場は広く、日曜の午後は駐車場が混んでいました。

【条件】
・私が書いていないことは足さないでください
・確認していない情報を、事実のように書かないでください
・推測が入る場合は「推測です」と書いてください
・大げさな言い方は避けてください

書き換えるのは、1行目の【してほしいこと】と、【素材】の中身だけです。条件の4行は毎回そのままで使えます。

3. 作業別に3つの型を作る

私がよくやる3つの作業に合わせて、型を3つに分けてください。

1. メモから短い文章を作る
2. AIが足した表現を削る
3. 公開前に確認が必要な箇所を出す

さきほどの共通条件はすべての型に入れてください。
それぞれの型には、その作業だけに必要な条件を1つずつ足してください。

出力例

型1: メモから短い文章を作る

次のメモをもとに、【 】字くらいの文章を3案作ってください。
【メモ】

・私が書いていないことは足さないでください
・確認していない情報を、事実のように書かないでください
・大げさな言い方は避けてください
・3案は、それぞれ書き出しを変えてください

型2: 足された表現を削る

次の文章から、私が渡した素材にない表現をすべて削ってください。
【素材】
【文章】

・言い換えるのではなく、削ってください
・素材より情報を増やさないでください
・削って足りなくなった部分は、書き足さずに質問してください

型3: 確認が必要な箇所を出す

次の文章から、公開前に確認が必要な箇所を抜き出してください。
【文章】

・確認先の候補も一緒に書いてください
・確認できなかった場合の扱いも書いてください
・問題のない箇所は「確認不要」と書いてください

4. 使ってみて合わない箇所を直す

型1を使ってみたところ、3案とも書き出しは違うのに、
中身がほとんど同じでした。

型に足す条件を1つだけ考えてください。
条件を増やしすぎず、1行で済む形にしてください。

出力例

足す条件はこの1行です。

「3案は、書き出しだけでなく、最初に伝える情報も変えてください」

書き出しの指定だけだと、同じ順番で同じ内容が並びます。何から伝えるかを変えるよう指定すると、案の違いがはっきりします。

たとえば、1案目は味から、2案目は場面から、3案目は価格から始まる形になります。

5. 型に名前を付けて保存する

3つの型に、短い名前と使いどころを付けてください。

・名前は10字以内
・使いどころは「いつ開くか」を一行で
・保存したときに、上から順に使う並びにしてください

出力例

名前使いどころ
1メモから下書き写真やメモが手元にあって、文章を作り始めるとき
2足された分を削る返ってきた文章が、自分の素材より大きくなっていると感じたとき
3公開前の確認出し文章ができて、公開ボタンを押す前

この順番は、実際の作業の流れと同じです。上から順に使えば、下書きから公開前まで届きます。

出力をレビューする

  • 書き換える場所が2か所以内に収まっているか
  • 毎回書いていた条件が、型に入っているか
  • 空欄が増えて、埋めるのが手間になっていないか
  • 実際に自分がよく使う作業の型になっているか
  • 1回使ってみて、返事が前より使いやすくなったか

返事が使いにくかったときの直し方

微妙な出力の例

「【役割】あなたは経験豊富なプロのWebライターです。【目的】{{目的}}【対象読者】{{ターゲット}}【トーン】{{文体}}【文字数】{{文字数}}【制約条件】{{制約}}【出力形式】{{形式}}【素材】{{素材}}」

形は整っていますが、ミカさんには使えません。埋める場所が7つあり、毎回7つを考えることになります。しかも「あなたはプロのライターです」という設定は、ミカさんが一度も書いたことのない文です。実際のやりとりから取り出した型ではなく、よくある雛形が返ってきています。

この型は、埋める場所が多すぎて使えません。

・空欄は2か所までにしてください
・「あなたはプロのライターです」のような役割設定は入れないでください
・私が実際に送った3つの依頼文から作ってください
・一般的な雛形ではなく、私の言葉を残してください

条件の部分は、毎回書かなくて済むよう埋め込んでください。
直したあとの出力

「空欄は【してほしいこと】と【素材】の2か所だけにしました。条件の4行は、あなたが3回とも書いていた内容をそのまま残しています。役割設定は入れていません。」

型を頼むと、よくある雛形が返ってくることがあります。「私が実際に送った文から作って」「空欄は2か所まで」と伝えると、自分の言葉が残った型になります。

小さな練習

これまでAIに送った依頼文を、思い出せる範囲で2つ書き出してください。正確でなくてかまいません。「だいたいこう書いた」で十分です。

その2つで依頼文1を送り、共通条件を取り出してもらいます。依頼文2で型にしてもらったら、実際に1回使ってみてください。使えたら、その型を保存すれば完了です。

次へ進む目安

同じ条件を毎回書き直さなくてよくなったら十分です。ここで作った型は、次の第10回でノートに収め、第37回でプロンプト集として整理します。

次は「自分のAIノートを作る」へ進みます。型が増えても迷わないよう、記録の形を決めます。

同じブラウザ内に進捗を保存します。

更新メモ

2026-08-08 新方針でリライト