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AI活用基本講座

目的からAIツールを選ぶ

第6回 2章 頼み方の基本を作る 初級 12分

この回でできるようになること

  • やりたいことを作業の種類に分けられる
  • 目的ごとに向いているAIの種類を選べる
  • しばらく使う1つを自分で決められる

使うもの

ChatGPT、各種AIツール

AIツールの名前を覚えることと、自分の作業が進むことは別です。この回では、ミカさんが「やりたいこと」から使うAIを決めて、迷う時間を減らします。

この回で作るもの

やりたいこと別のAI選び表

自分のやりたいこと3つに、向いているAIの種類と理由をひも付けた小さな表を1枚作ります。次に手が止まったとき、その表を見れば「今日はどれを開くか」がすぐ決まります。

今回の例

ミカさんが、開くアプリを決められずにいる

ミカさんは、道の駅の記事を仕上げようとしています。ところが、AIの紹介記事をいくつか読んだせいで、かえって手が止まりました。名前は聞いたことがあるけれど、どれを開けばいいのか分かりません。

やりたいこと
1. 記事の下書きを作る / 2. アイキャッチ画像を用意する / 3. 道の駅の営業時間を調べる
知っていること
ChatGPTという名前。画像を作るAIがあるらしいこと。検索できるAIもあるらしいこと
止まっている理由
3つとも同じAIでやれるのか、別々に使い分けるのかが分からない

ツールが多く見えるのは、目的を分けていないから

AIツールの数は確かに多いです。けれど、ミカさんが今日やりたいことは3つしかありません。3つの目的に対して、それぞれ向いているAIの種類は限られています。

迷いが大きくなるのは、「世の中にあるAI全部」と「今日の自分の作業」を同じ大きさで比べてしまうときです。順番を逆にします。先に自分の目的を書き出し、あとからそれに合う種類を当てはめます。

  • 目的を書き出す前に、ツール名を調べ始めてしまう
  • 「一番いいAI」を決めないと始められない気がする
  • 無料でどこまでできるのかが分からず、手が止まる
  • 全部覚えないと使いこなせないと思ってしまう

AIに任せる部分と自分で見る部分

AIに頼みやすい

  • やりたいこと3つを、作業の種類に分ける
  • それぞれに向いているAIの種類を挙げる
  • 向いている理由を短く説明する
  • その種類が苦手なことも一緒に挙げる

自分で見る

  • 実際に使えるかどうか(手元の端末、料金、登録の手間)
  • その説明が今の仕様と合っているか
  • 今月しばらく使う1つをどれにするか
製品名の断定はAIに任せない

AIは、機能や料金の説明を過去の情報のまま答えることがあります。この回でAIに頼むのは「種類の選び方」までです。個別ツールの料金や機能は、必ず各サービスの公式ページで確認してください。

進め方

  1. 今週やりたいことを3つ、短い言葉で書き出す
  2. それぞれを「文章を作る」「絵を作る」「情報を確かめる」のどれに近いか考える
  3. AIに、種類と理由と苦手なことを表にしてもらう
  4. 料金や登録の条件は自分で公式ページを見る
  5. 今月しばらく使う1つを決めて、表に印を付ける

そのまま使える依頼文

すべてミカさんの3つの目的を入れた形にしてあります。自分のやりたいことに置き換えて使ってください。

1. やりたいことを作業の種類に分ける

私はAI初心者です。
今週やりたいことが3つあります。

1. 道の駅の記事の下書きを作る
2. 記事に載せるアイキャッチ画像を用意する
3. その道の駅の営業時間と定休日を調べる

この3つを、作業の種類で分けてください。
サービス名はまだ出さず、どういう性質の作業かだけを教えてください。

出力例

3つは、性質の違う作業に分かれます。

  • 1. 記事の下書き — 文章を作る作業です。正解が1つに決まらず、案を出して選ぶ形が向いています。
  • 2. アイキャッチ画像 — 絵を作る作業です。言葉で見た目を指定する必要があります。
  • 3. 営業時間と定休日 — 事実を確かめる作業です。案を出す作業ではなく、正しいか間違っているかが決まる作業です。

3のように答えが1つに決まる作業は、AIに書かせるより、出どころを確認する使い方が向いています。

2. 種類と理由と苦手なことを表にする

次の3つの目的について、表を作ってください。
列は「やりたいこと」「向いているAIの種類」「向いている理由」「その種類が苦手なこと」の4つです。

1. 道の駅の記事の下書きを作る
2. 記事に載せるアイキャッチ画像を用意する
3. その道の駅の営業時間と定休日を調べる

製品名や料金は断定しないでください。
種類の説明だけにしてください。

出力例

やりたいこと向いているAIの種類向いている理由苦手なこと
記事の下書きを作る文章を作るAI(対話型)メモから案を何通りも出せる。長さや言い方の指定にも応じるあなたが体験していないことを、それらしく書いてしまう
アイキャッチ画像を用意する画像を作るAI色、構図、雰囲気を言葉で指定して絵にできる文字を正しく描けないことが多い。細部が現実と違うことがある
営業時間と定休日を調べる出どころを示す検索型のAI、または公式サイトどこに書いてあった情報かをたどれる示された出どころが古い場合がある。最終確認は自分で必要

3つ目については、AIの答えをそのまま記事に書かず、公式の案内で確かめることをおすすめします。

3. 最初に慣れる1つを選ぶ

私は今月、AIを1つだけに絞って慣れたいです。
使える時間は週に30分ほどです。

やりたいことは、記事の下書き、アイキャッチ画像、営業時間の確認の3つです。
この中で、最初の1か月を1つの種類に絞るなら、どれを選ぶとよいですか。
選ばなかった2つを今月どうするかも書いてください。

出力例

最初の1か月は、文章を作るAIに絞ることをおすすめします。

理由は3つあります。記事の下書きは毎回発生する作業なので練習の回数が多いこと。頼み方を変えると結果がどう変わるかが分かりやすいこと。そして、下書きが進むと記事の公開まで届くことです。

残りの2つは、今月はこう扱います。

  • アイキャッチ画像 — 今月は自分で撮った写真を使う。画像AIは来月試す
  • 営業時間の確認 — AIを使わず、公式サイトを直接見る

4. 手元の条件で使えるかを詰める

私が使える環境は次のとおりです。

・作業はスマートフォンが中心。パソコンは週末だけ
・当面は無料の範囲で試したい
・アカウントを何個も作りたくない

この条件で、文章を作るAIを選ぶときに、
自分で確認しておくべき項目をリストにしてください。
どのサービスがよいかは決めなくて構いません。

出力例

選ぶ前に、次の項目を公式ページで確認してください。

  • スマートフォンのアプリがあるか。ブラウザだけでも使えるか
  • 無料で使える範囲。1日の回数や文字数に上限があるか
  • 会員登録に何が必要か(メールアドレスのみか、電話番号も要るか)
  • 過去の会話が残るか。あとから探せるか
  • 入力した内容がどう扱われるかの説明があるか

これらは変更されることがあるため、紹介記事ではなく各サービスの公式ページで確認するのが確実です。

5. 使ってみた感触から選び直す

2週間、文章を作るAIを記事の下書きに使ってみました。
感じたことは次のとおりです。

・下書きは早くなった
・でも、書いていない感想を足されることがあった
・道の駅の名前を間違えられたことがあった

この結果から、使い方をどう変えるとよいか3つ挙げてください。
別のサービスに乗り換える話ではなく、頼み方の見直しとして書いてください。

出力例

  1. 依頼文の最後に「私のメモにないことは書かないでください」と毎回入れる
  2. 固有名詞(道の駅の名前、商品名)はAIに書かせず、自分で後から入れる
  3. 下書きは「完成文」ではなく「見出しと箇条書き」で頼み、文章化は自分で行う

3つとも、乗り換えなくても今日から試せます。特に2つ目は、固有名詞の間違いをそもそも起こさせない方法です。

出力をレビューする

表が出てきたら、そのまま保存する前に次を見ます。

  • 自分の3つの目的が、そのまま表に載っているか
  • 「苦手なこと」の欄が空になっていないか
  • 特定のサービス名が、料金や機能つきで断定されていないか
  • 今日の自分が実際にできることになっているか

返事が使いにくかったときの直し方

たとえば、次のような返事が来ることがあります。

微妙な出力の例

「文章生成にはChatGPTが最適です。月額20ドルの有料プランなら制限なく使えます。画像生成も高精度で、検索機能も搭載されているため、これ1つですべて完結します。」

一見、親切に見えます。しかしミカさんにとっては使いにくい返事です。料金と機能を断定していて確認しようがなく、「これ1つで完結」と言われた結果、3つの目的の違いが消えてしまいました。無料で試したいという条件も無視されています。

そこで、こう頼み直します。

今の返事は、料金と機能を断定していて確認できません。
また、私の3つの目的が1つにまとめられてしまいました。

サービス名と料金は書かず、AIの種類だけで答え直してください。
3つの目的それぞれに、向いている種類と苦手なことを分けて書いてください。
直したあとの出力

「3つは性質が違うため、まとめずに分けます。記事の下書きは文章を作るAIが向きますが、体験していないことを足す弱点があります。アイキャッチは画像を作るAIですが、文字を正しく描けないことが多いです。営業時間は、出どころをたどれる形で調べたうえで、公式の案内で確かめてください。料金と機能は変わるため、各サービスの公式ページでご確認ください。」

小さな練習

今週やりたいことを3つ書き出してください。仕事でも家のことでもかまいません。書き出したら、依頼文2をコピーして、3つの中身だけ自分のものに入れ替えて送ります。

返ってきた表を見て、最後に自分で1つだけ決めます。今月しばらく使うのはどの種類か。決めたら表に印を付けて、この回は完了です。

次へ進む目安

新しいツールの名前を追いかけるより、自分の目的から選べたなら十分です。ここで作った表は、第37回で自分用のプロンプト集を作るときに、分類のもとになります。

次は「入れていい情報と伏せる情報を分ける」へ進みます。使うAIが決まったので、次はそこに何を書いてよいかを整理します。

同じブラウザ内に進捗を保存します。

更新メモ

2026-08-08 新方針でリライト