1本書き上げても、次の記事でまた同じところでつまずきます。この回では、ユイさんが今回の作業を手順書にして、次回から迷わない状態を作ります。
この回で作るもの
確認欄つきの公開手順書
今回の記事を公開するまでにやったことを、次回そのまま使える順番の手順書にします。第20回の公開前チェックと第29回の5観点チェックも組み込み、1枚にまとめます。
今回の例
ユイさんが、毎回違うところで抜けを出している
記事は公開できました。ただ、公開したあとに気づいた抜けがいくつかあります。前回の記事でも別の抜けがありました。毎回違う場所でつまずくので、覚えて防ぐことができません。
- 今回、公開後に気づいた抜け
- 画像のalt(代替テキスト)が空だった。カテゴリーが未設定のままだった。本文中のリンクが1つ切れていた
- 前回の記事での抜け
- アイキャッチを設定し忘れた。公開日時が下書き作成日のままだった
- 今回やった作業
- 構成づくり、本文執筆、断定の見直し、画像生成、アイキャッチ選び、タイトルとメタ説明
- 止まっている理由
- 手順書を作っても、細かすぎると使わなくなりそうで作る気になれない
手順書が続かないのは、粒度が合っていないから
手順書が使われなくなる理由は2つあります。細かすぎて読むのが面倒になるか、大まかすぎて見ても何も分からないかです。
ちょうどよい粒度は、「見なくても思い出せることは書かない」「毎回忘れることだけ書く」です。ユイさんが忘れているのは、altやカテゴリーのような、記事の中身とは関係のない設定項目です。逆に、本文を書くことは忘れません。だから手順書には設定項目を厚く、執筆作業は薄く書きます。
- 手順が20項目を超えると、開かなくなる
- 「記事を書く」のような大きすぎる項目は、確認の役に立たない
- 実際にやっていない理想の手順を入れると、守れなくなる
- 1回作って終わりにすると、抜けが出るたびに追記されず古くなる
AIに任せる部分と自分で見る部分
AIに頼みやすい
- 実際にやった作業を順番に並べる
- 忘れがちな項目を確認欄にする
- 過去のチェックリストを1枚に統合する
- 項目が多すぎるときに削る候補を出す
自分で見る
- 実際の自分の作業と合っているか
- 次回もこの順番でやれるか
- 削ってよい項目の判断
- 抜けが出たときに追記する運用
第20回で作った公開前チェック、第22回の確認項目表、第29回の5観点チェック、第32回の言い換え対応表、第35回の禁止条件。ここまでに作ったものを1枚にまとめます。バラバラに持っていると、公開前に全部を開くことができません。
進め方
- 今回やった作業を、思い出せる範囲で書き出す
- 公開後に気づいた抜けを書き足す
- 順番に並べて、確認欄つきの手順書にしてもらう
- これまでのチェックリストを組み込む
- 項目数を数えて、多ければ削る
そのまま使える依頼文
1. やった作業と抜けを並べる
ブログ記事を1本公開しました。
次回のための手順書を作ります。
今回やった作業:
写真とメモから構成を作った
構成に沿って本文を書いた
断定している箇所を直した
画像生成の依頼文を作った
アイキャッチ案を3つ作って1つ選んだ
タイトル案を5つ作って1つ選んだ
メタ説明を書いた
公開後に気づいた抜け:
画像のaltが空だった
カテゴリーが未設定だった
本文中のリンクが1つ切れていた
前回の記事での抜け:
アイキャッチを設定し忘れた
公開日時が下書き作成日のままだった
これらを、作業の順番に並べ直してください。
抜けが出た項目には、印を付けてください。
出力例
執筆の作業
- 写真とメモから構成を作る
- 構成に沿って本文を書く
- 断定している箇所を直す
- 画像生成の依頼文を作る
- アイキャッチ案を作って選ぶ
- タイトルとメタ説明を作る
公開設定の作業(抜けが出た項目)
- 要注意 アイキャッチを設定する
- 要注意 画像のaltを入れる
- 要注意 カテゴリーを設定する
- 要注意 本文中のリンクを開いて確認する
- 要注意 公開日時を確認する
抜けはすべて公開設定の作業で起きています。執筆の作業では抜けが出ていません。
2. 確認欄つきの手順書にする
先ほどの作業を、確認欄つきの手順書にしてください。
条件:
・抜けが出ていない執筆の作業は、まとめて簡潔に
・抜けが出た公開設定の作業は、1項目ずつ分けて
・チェックを入れる欄を付ける
・全部で15項目以内
・上から順にやれば公開まで届く並びにする
出力例
記事公開の手順書
| やること | 備考 | |
|---|---|---|
| □ | 写真とメモを一覧にして、記事の中心を決める | |
| □ | 構成を作り、見出しごとに素材を割り当てる | |
| □ | 本文を書く | |
| □ | 断定している箇所を直す | 言い換え対応表を見る |
| □ | 事実の確認をする | 確認項目表を見る |
| □ | 5観点で点検する | 事実・言いすぎ・誤解・権利・プライバシー |
| □ | アイキャッチ案を作って1つ選ぶ | |
| □ | タイトル案を5つ作って1つ選ぶ | 禁止条件5つを使う |
| □ | メタ説明を120字前後で書く | |
| □ | アイキャッチを設定する | 前回抜けあり |
| □ | すべての画像にaltを入れる | 今回抜けあり |
| □ | カテゴリーとタグを設定する | 今回抜けあり |
| □ | 本文中のリンクをすべて開いて確認する | 今回抜けあり |
| □ | 公開日時を確認する | 前回抜けあり |
| □ | スマートフォンで表示を確認する |
15項目です。うち5項目が、実際に抜けが出た箇所です。
3. これまでのチェックリストを統合する
私はこれまでに、別々のチェックリストを作ってきました。
1. 公開前の文章チェック(要確認の事実/言いすぎ/読みにくい箇所)
2. 確認項目表(項目/確認先/確認方法/結果)
3. 5観点チェック(事実・言いすぎ・誤解・権利・プライバシー)
4. 言い換え対応表(断定を直す)
5. タイトルの禁止条件5つ
これらは内容が重なっています。
重なりを整理して、公開前に1回だけ通せばよい形にまとめてください。
どのリストのどの項目を統合したかも書いてください。
出力例
重なっていた部分
- 「要確認の事実」(1)と「確認項目表」(2)と「事実の誤り」(3)は、同じ確認作業です
- 「言いすぎ」(1)と「言いすぎ」(3)と「言い換え対応表」(4)は、断定の見直しとして1つにできます
統合後の公開前チェック(4ステップ)
- 事実 — 確認項目表を埋める。確認できなかった項目は本文から外す(1・2・3を統合)
- 断定 — 言い換え対応表で、確認していない断定を直す(1・3・4を統合)
- 権利とプライバシー — 写真の人物、ロゴ、個人が特定される記述を確認(3から)
- 入り口 — タイトルとメタ説明を禁止条件5つで点検(5から)
「読みにくい箇所」(1)は文章の質の話なので、公開前チェックではなく執筆中の作業に移すことをおすすめします。
4. 項目が多すぎるときに削る
手順書が15項目になりました。
毎回15項目を確認するのは負担です。
次の基準で、削れる項目を挙げてください。
・忘れたことが一度もない項目
・忘れても大きな問題にならない項目
・他の項目と一緒に確認できる項目
削る判断は私がするので、候補と理由だけ挙げてください。
出力例
削る候補
- 「本文を書く」 — 忘れることがない項目です。手順書に書かなくても抜けません
- 「メタ説明を書く」 — 「タイトル案を作って選ぶ」と同じ場面でやる作業です。1項目にまとめられます
残すことをおすすめする項目
- 抜けが出た5項目(アイキャッチ、alt、カテゴリー、リンク、公開日時) — 実際に忘れた記録があります
- スマートフォンでの表示確認 — 抜けは出ていませんが、公開後の修正が面倒になる箇所です
2項目削ると13項目になります。10項目を切ると確認が雑になりやすいため、この程度が現実的です。
5. 手順書を育てる決まりを作る
この手順書を、作りっぱなしにしたくありません。
抜けが出たときに追記し、使わない項目を削る運用にしたいです。
そのための決まりを3つ以内で作ってください。
・作業として重くならないこと
・記事を書くたびにやる形にしないこと
・忘れても手順書自体が古びないこと
出力例
- 公開後に抜けに気づいたら、その場で手順書の一番下に一行足す — 順番を整えるのは後回しでかまいません。気づいた瞬間に残すことを優先します
- 記事を5本公開したら、追記した行を並べ替えて整理する — 毎回ではなく、5本ごとにします。整理の作業は10分程度です
- 3回続けてチェックが不要だった項目には印を付け、次の整理のときに削る候補にする — 削る判断を、その場でしなくて済みます
この3つなら、追加の作業は「一行足す」だけです。整理は5本に1回なので、負担になりにくい形です。
出力をレビューする
- 実際にやった作業と、手順書の順番が合っているか
- 忘れたことのない項目が、無駄に入っていないか
- 抜けが出た項目が、必ず入っているか
- 上から順にやれば公開まで届くか
- 15項目前後に収まっているか
返事が使いにくかったときの直し方
「1. キーワード選定 2. 競合記事の分析 3. 検索意図の把握 4. 構成案作成 5. 執筆 6. 内部リンク設計 7. 構造化データの設定 8. 表示速度の最適化 9. SNS投稿文の準備 10. 公開後の順位計測…(全28項目)」
一般的な記事作成の手順としては筋が通っています。しかしユイさんがやっていない作業ばかりです。競合分析も構造化データも、今回の記事では一度もやっていません。この手順書は、開いた瞬間に「今日はここまでできない」と感じて閉じることになります。
この手順書には、私がやっていない作業が入っています。
・競合分析、構造化データ、表示速度、順位計測はやっていません
・28項目は多すぎて、開かなくなります
私が実際にやった作業だけで作り直してください。
やっていない作業を、やったほうがよい作業として足さないでください。
15項目以内にしてください。
「構成を作る / 本文を書く / 断定を直す / 事実を確認する / 5観点で点検する / アイキャッチを選ぶ / タイトルとメタ説明を作る / アイキャッチを設定する / altを入れる / カテゴリーを設定する / リンクを確認する / 公開日時を確認する / スマートフォンで確認する(13項目)」
手順書は、理想の作業ではなく実際の作業から作ります。やっていない作業を足すと、その手順書は使われません。増やすのは、実際に抜けが出たときだけで十分です。
小さな練習
直近で公開した記事を思い出して、やった作業を順番に書き出してください。5行でも10行でもかまいません。次に、公開後に気づいた抜けを思い出して書き足します。
その2つで依頼文1と2を送り、手順書の形にしてもらいます。できた手順書を、次に記事を書くときに開ける場所に保存すれば、この回は完了です。
次へ進む目安
次の記事を書くとき、この手順書を開けばよいと言えるなら十分です。ここで作った手順書は、第38回の週次ルーティンに組み込み、第40回の30日レビューで見直します。
第31回から始まった記事1本の作業は、これで公開まで届きました。次は「自分用プロンプト集を育てる」へ進みます。ここまでに作った依頼文を、次から呼び出せる形にまとめます。