使えた頼み方ほど、どこにあるか分からなくなります。この回では、ミカさんが会話に名前を付けて、次に開いたときすぐ続けられる形を作ります。
この回で作るもの
会話の名前と、3行の保存メモ
今までの会話に、あとで探せる名前を付けます。あわせて「何をした会話か」「次に何をするか」を書いた3行メモを作り、会話の先頭に貼っておきます。
今回の例
ミカさんが、先週の頼み方を探せない
ミカさんは1週間で7つの会話を作りました。記事のこと、メールのこと、お礼のこと。どれも同じ画面に並んでいます。先週うまくいった頼み方をもう一度使いたいのに、どれだったか分かりません。
- 並んでいる会話
- 7つ。どれも自動で付いた名前のままで、中身が想像できない
- 探しているもの
- 「足された表現を削って」と頼んだときの依頼文。これがよく効いた
- やってしまったこと
- 探すのをあきらめて、新しい会話でまた一から頼み直した
- 止まっている理由
- 何を残せばあとで見つかるのかが分からない
探せないのは、記録していないからではありません
会話はすべて残っています。消えていません。それでも見つからないのは、外から見て中身が分からないからです。
必要なのは、たくさん記録することではなく、開かなくても中身が分かる目印を付けることです。会話の名前と、先頭の3行。この2つだけで、探す時間はかなり短くなります。
- 自動で付いた名前は、中身と合っていないことがある
- 1つの会話にいくつもの話題が混ざると、あとで探せない
- 次に何をするかを書いていないと、開いても思い出すのに時間がかかる
- 整理そのものが面倒だと、続かない
会話の名前を変える方法や、保存の位置はサービスによって違い、変わることもあります。この講座では、どこを押すかは説明しません。名前を変えられる場所を探して、そこに貼るという形で進めます。名前を変えられない場合は、メモアプリに同じ内容を残せば足ります。
AIに任せる部分と自分で見る部分
AIに頼みやすい
- 会話の内容から名前の候補を出す
- やりとりを3行に要約する
- 次にやることを1つ書く
- 話題が混ざっている箇所を指摘する
自分で見る
- その名前で自分が思い出せるか
- 会話を分けるかどうかの判断
- 実際に名前を変える作業
- 残すか消すかの決定
進め方
- 今開いている会話で、名前の候補を出してもらう
- 3行の保存メモを作ってもらう
- 会話の名前を変えて、メモを先頭に貼る
- 話題が混ざっている会話は分ける
- 使わない会話は消す
そのまま使える依頼文
1. 会話に名前を付ける
この会話に名前を付けたいです。
候補を3つ出してください。
条件:
・15字以内
・一覧に並んだとき、中身が想像できる言葉にする
・日付は入れない(あとで見ても内容が分かる名前にしたい)
・「相談」「質問」のような、どの会話にも当てはまる言葉は使わない
出力例
- 道の駅記事 足された表現を削る
- 黒ごまソフト 感想の書き直し
- 記事の下書き 修正依頼のやりとり
1が一番探しやすい名前です。「何の記事か」と「何をした会話か」が両方入っています。3は「修正依頼」が他の会話とも重なる可能性があります。
2. 3行の保存メモを作る
この会話を、あとで開いたときにすぐ続けられるようにしたいです。
次の3行を書いてください。
1行目: この会話で何をしたか
2行目: うまくいった頼み方(実際に送った文をそのまま)
3行目: 次にやること
3行だけにしてください。長い説明は不要です。
出力例
- したこと: 道の駅の記事の一段落を、AIが足した表現を削って書き直した
- 効いた頼み方: 「言葉を言い換えるのではなく削ってください。私のメモの5項目より情報を増やさないでください」
- 次にやること: 同じ形で、野菜売り場の段落も書き直す
2行目に実際の文をそのまま入れておくと、次回はコピーするだけで使えます。
3. 話題が混ざっている会話を分ける
この会話には、いくつかの話題が混ざっている気がします。
出てきた話題を挙げて、分けたほうがよいものがあれば教えてください。
分けるとしたら、どこで区切るかも書いてください。
分けなくてよい場合は、そう答えてください。
出力例
この会話には3つの話題が入っています。
- 道の駅の記事の書き直し(やりとりの大半)
- 親戚へのお礼メッセージ(途中で1往復だけ)
- 問い合わせメールの文面(最後に少し)
1が中心なので、この会話は1のまま残すことをおすすめします。2と3は、それぞれ別の会話に移したほうが探しやすくなります。
移すときは、該当するやりとりをコピーして、新しい会話の先頭に貼れば続きから始められます。
4. 残す会話と消す会話を決める
会話が7つたまりました。内容は次のとおりです。
1. 道の駅の記事の書き直し(何度も使った)
2. お礼メッセージの下書き(送信済み)
3. 問い合わせメールの文面(送信済み)
4. AIの使い方を試しに聞いただけ
5. 記事のタイトル案(結局使わなかった)
6. 道の駅の記事の書き直し(1と内容が重なる)
7. 天気を聞いただけ
残す、消す、まとめるに分けてください。
判断の基準も教えてください。
出力例
基準: また同じことを頼む可能性があるかどうかです。一度きりの用事は残しても使いません。
- 残す: 1(頼み方が使い回せる)、5(タイトル案は次の記事でも同じ形で頼める)
- まとめる: 6を1に統合。使えた依頼文だけコピーして1に貼る
- 消す: 2、3(送信済みで再利用しない)、4、7(内容が残らない)
7つが2つになります。消す前に、2と3から使えそうな言い回しがないか一度だけ見ておくと安心です。
5. 名前の付け方を決めておく
これから会話が増えても探せるように、名前の付け方の決まりを作りたいです。
私が使うのは、ブログ記事、メールの返信、調べもの、画像の相談です。
毎回考えなくて済む形にしてください。
決まりは3つ以内にしてください。
出力例
- 頭に種類を付ける — 「記事」「返信」「調べ」「画像」の4語のどれかで始める。一覧が種類ごとにまとまります
- 次に対象を書く — 「記事 道の駅」「返信 掲載依頼」のように、何についてかを短く
- 最後に何をしたかを書く — 「記事 道の駅 表現の削り」のように、動作で終える
例: 「記事 道の駅 表現の削り」「調べ 直売所 営業時間」「画像 秋の記事 依頼文づくり」
3語の並びを固定しておくと、考える時間がなくなります。
出力をレビューする
- 名前を見て、開かなくても中身が思い出せるか
- 3行メモの2行目に、実際の依頼文が入っているか
- 次にやることが1つに絞られているか
- 消す判断をしたものに、あとで使うものが混ざっていないか
- 整理そのものが面倒な作業になっていないか
返事が使いにくかったときの直し方
「会話管理には、タグによる分類とフォルダ階層の設計が有効です。まず大分類を5つ作り、その下に中分類を配置します。命名規則は『日付_カテゴリ_サブカテゴリ_内容』の形式に統一し、検索性を最大化しましょう。」
会話は7つしかありません。5つの大分類を作ると、1分類あたり1〜2件です。日付から始まる長い名前も、一覧では日付ばかりが並んで中身が見えません。管理の仕組みのほうが、会話より重くなっています。
会話は7つしかありません。
・分類は作らないでください
・日付から始まる名前にしないでください。日付ばかり並んで中身が見えません
・仕組みを増やさず、名前の付け方だけ決めてください
15字以内で、一覧を見たときに中身が分かる名前にしたいです。
「7つなら、名前を変えるだけで足ります。『種類 対象 何をしたか』の3語で付けてください。例:『記事 道の駅 表現の削り』。分類やタグは、30件を超えたころに考えれば間に合います。」
整理を頼むと、仕組みを増やす提案が返ってくることがあります。今の件数を伝えて「仕組みを増やさないで」と言うと、実際の量に合った答えになります。
小さな練習
今開いている会話を1つ選んでください。どれでもかまいません。その会話で依頼文1を送り、名前の候補を3つ出してもらいます。
気に入った名前に変えたら、依頼文2で3行メモを作ってもらってください。そのメモをコピーして、メモアプリか会話の先頭に貼れば、この回は完了です。
次へ進む目安
一覧を見て、開かなくても中身が分かる会話が1つでもあれば十分です。ここで作った3行メモの形は、第10回のAIノートに引き継ぎ、第37回でプロンプト集に育てます。
ここまでで、頼む、直す、残すの3つができるようになりました。次は「目的からAIツールを選ぶ」へ進み、どのAIを使うかを決めます。