旬のいちご特集|全国いちご図鑑

AI活用基本講座

アイデアを選べる数に絞る

第25回 4章 調べものと判断に使う 初級 14分

この回でできるようになること

  • 案を性質ごとに分類できる
  • 自分の状況から基準を作れる
  • 基準で絞って理由を残せる

使うもの

ChatGPT

AIに頼むと案はいくらでも出ます。増えた結果、かえって動けなくなることがあります。この回では、ナオさんが基準を作って3案まで絞ります。

この回で作るもの

絞り込みの基準と、採用候補3案

たくさん出た案を、自分の状況に合う基準2つで絞ります。基準そのものを残すので、次に案が増えたときも同じやり方で絞れます。

今回の例

ナオさんが、20案の前で固まっている

ナオさんは記事のテーマ案をAIに頼みました。「20個出してください」と書いたら、本当に20個返ってきました。どれも悪くありません。それを見た瞬間、どれも書けない気がしてきました。

出てきた案(一部)
直売所の比較 / 冬の交通事情 / 移住相談の窓口を訪ねた話 / 空き家の探し方 / 病院までの距離 / 地域の行事カレンダー / 通信環境の調べ方 / 除雪のしくみ / 地元の食材で作った料理 / 移住者への聞き取り ほか10件
ナオさんの状況
月1本のペース。まだ移住していない。取材の伝手はない。今週使えるのは2時間
止まっている理由
どれも良さそうで、選ぶ基準がない。捨てるのも惜しい

案が多いこと自体が問題です

AIは案を出すのが得意です。20個でも50個でも出ます。だから「たくさん出してもらう」ところで止まると、選ぶ負担だけが自分に残ります。

絞るときに必要なのは、良い案を見分ける目ではありません。自分の状況に合う基準です。ナオさんの場合、「取材の伝手がない」「まだ移住していない」という条件があります。この条件を基準にすれば、20案の半分以上は自動的に外れます。

  • 案の良し悪しで選ぼうとすると、決まらない
  • 基準がないと、全部が候補のまま残る
  • 捨てるのが惜しくて、全部を抱えたまま動けなくなる
  • 絞ったあとに、なぜそれを選んだか説明できない
捨てるわけではありません

絞った案は消さずに残しておきます。今週の条件で外れただけで、来月には条件が変わっているかもしれません。「今回は選ばない」と「もう使わない」は違います。

AIに任せる部分と自分で見る部分

AIに頼みやすい

  • 案を性質ごとに分類する
  • 絞り込みの基準を提案する
  • 基準に照らして案をふるいにかける
  • 外した案の理由を書く

自分で見る

  • どの基準を使うかの決定
  • 本当に書きたいかどうか
  • 最終的な3案の選択
  • 外した案を残しておくかどうか

進め方

  1. 出てきた案を全部渡す
  2. 性質ごとに分類してもらう
  3. 自分の状況を伝えて、基準を2つ提案してもらう
  4. 基準で絞ってもらい、外した理由を確認する
  5. 残った中から自分で3案選ぶ

そのまま使える依頼文

1. 案を性質ごとに分類する

記事のテーマ案が20個出てきました。多すぎて選べません。
まず、性質ごとに分類してください。

案:
直売所の比較 / 冬の交通事情 / 移住相談の窓口を訪ねた話 / 空き家の探し方 /
病院までの距離 / 地域の行事カレンダー / 通信環境の調べ方 / 除雪のしくみ /
地元の食材で作った料理 / 移住者への聞き取り(ほか10件は似た内容のため省略)

分類は4つまでにしてください。
まだ絞らないでください。分類だけお願いします。

出力例

  • A 自分で調べれば書ける: 通信環境の調べ方 / 病院までの距離 / 空き家の探し方 / 地域の行事カレンダー
  • B 実際に行けば書ける: 直売所の比較 / 移住相談の窓口を訪ねた話
  • C 人に会わないと書けない: 移住者への聞き取り
  • D 住まないと書けない: 冬の交通事情 / 除雪のしくみ / 地元の食材で作った料理

分類してみると、Dの3案は、まだ移住していない今は書けないことが分かります。

2. 自分の状況から基準を作る

私の状況は次のとおりです。

・月1本のペースで書いている
・まだ移住していない。現地には月1回ほど行ける
・取材の伝手はない
・今週使えるのは2時間

この状況に合う絞り込みの基準を2つ提案してください。
基準は、案を見て「はい/いいえ」で判断できる形にしてください。
どの案を選ぶかは、まだ決めないでください。

出力例

基準1: 今の立場で書けるか
まだ移住していないため、住んでみないと分からない内容は書けません。「実際に住んだ経験が必要か」で判断できます。

基準2: 2時間で材料が揃うか
今週使えるのは2時間です。人に会う約束を取り付ける必要がある案は、この週には入りません。「自分ひとりで材料が揃うか」で判断できます。

この2つは、どちらも案を見た瞬間に判断できます。良し悪しの判断が入らないため、迷いません。

3. 基準で絞って、理由も残す

2つの基準で、20案を絞ってください。

基準1: 今の立場(移住前)で書けるか
基準2: 自分ひとりで材料が揃うか

残った案と、外した案を分けて示してください。
外した案には、どちらの基準で外れたかを書いてください。
外した案も、消さずに一覧に残してください。

出力例

残った案

  • 通信環境の調べ方
  • 病院までの距離
  • 空き家の探し方
  • 地域の行事カレンダー
  • 直売所の比較
  • 移住相談の窓口を訪ねた話

外した案(保留)

  • 冬の交通事情 — 基準1。実際に冬を過ごしてからのほうが書けます
  • 除雪のしくみ — 基準1。制度は調べられますが、体験がないと薄くなります
  • 地元の食材で作った料理 — 基準1。日常的に手に入る状態になってからのほうが自然です
  • 移住者への聞き取り — 基準2。相手の都合があり、2時間では材料が揃いません

20案が6案になりました。外した4案は、移住後や時間が取れるときの候補として残しています。

4. 6案から3案に絞る

6案まで絞れました。ここから3案にしたいです。

3つ目の基準を提案してください。
今度は「読者にとっての役立ち方」で分ける基準にしてください。

私の読者は、同じように移住を検討している人です。
どの案を選ぶかは、私が決めます。

出力例

基準3: 読者が自分では調べにくいか

読者が検索すればすぐ分かることは、記事にしても役立ち方が小さくなります。逆に、実際に行かないと分からないことは、記事の価値が大きくなります。

  • 読者が自分で調べられる: 通信環境の調べ方 / 空き家の探し方 / 地域の行事カレンダー
    いずれも公式の情報を見れば分かります
  • 行かないと分かりにくい: 病院までの距離(実際にかかる時間) / 直売所の比較(その場の様子) / 移住相談の窓口を訪ねた話(応対の様子)
    いずれも、あなたが行ったからこそ書ける内容です

後者の3つが、この基準で残ります。

5. 基準を次から使える形にする

今日使った3つの基準を、次から使える形にまとめてください。

・案が増えたときに、上から順に当てはめれば絞れる形にしてください
・私の状況が変わったとき、どの基準を書き換えるかも書いてください
・基準は3つのまま、増やさないでください

出力例

案を絞る3つの基準(上から順に当てはめる)

  1. 今の立場で書けるか — 移住したら書き換えます。移住後は「住んでみないと分からないこと」が強みに変わります
  2. 自分ひとりで材料が揃うか — 使える時間が増えたら書き換えます。取材の伝手ができたら、この基準は外せます
  3. 読者が自分では調べにくいか — 読者層が変わらないかぎり、そのまま使えます

1と2は状況で変わる基準、3は方針の基準です。案が20個出ても、この順に当てはめれば3案前後まで絞れます。

出力をレビューする

  • 基準が「はい/いいえ」で判断できる形か
  • 案の良し悪しではなく、自分の状況で絞れているか
  • 外した案の理由が書かれているか
  • 外した案が消されず、残っているか
  • 最後の3案を、自分で選んだと言えるか

返事が使いにくかったときの直し方

微妙な出力の例

「20案を精査した結果、上位3案を選定しました。1位:移住者への聞き取り(独自性が高く読者の関心を集めやすい) 2位:冬の交通事情(季節性があり検索需要が見込める) 3位:地元の食材で作った料理(写真映えする)。この3案で進めることをおすすめします。」

選ばれた3案は、どれもナオさんが今書けないものです。聞き取りは伝手がなく、冬の交通事情も食材の料理も、住んでいないと書けません。ナオさんが伝えた状況が使われず、一般的な「良さそうな案」で順位が付けられています。

選ばれた3案は、どれも私が今書けません。

・私はまだ移住していません。住まないと書けない案を選ばないでください
・取材の伝手がないので、人に会う案も選べません
・順位や「独自性が高い」といった評価は不要です

私の状況で判断できる基準を先に作ってから、その基準で絞ってください。
最後に選ぶのは私です。
直したあとの出力

「基準を2つ作ります。1. 今の立場(移住前)で書けるか。2. 自分ひとりで材料が揃うか。この2つで絞ると、20案が6案になります。残ったのは、通信環境、病院までの距離、空き家の探し方、地域の行事カレンダー、直売所の比較、移住相談の窓口です。ここから先は、どれを選ぶかご判断ください。」

絞り込みを頼むと、順位付きの結論が返ってきがちです。「先に基準を作って」「選ぶのは私」と伝えると、自分の状況に合った絞り込みになります。

小さな練習

案がたまっているものがあれば、それを使ってください。なければ、AIに「直売所の記事の切り口を10個出して」と頼んで、わざと多く出してもらいます。

出てきた案で依頼文2を送り、自分の状況から基準を2つ作ってもらいます。その基準で絞ってみて、半分以下になったら、この回は完了です。

次へ進む目安

案が多すぎるとき、「どの基準で絞るか」を先に考えられたら十分です。ここで作った基準は、第37回でプロンプト集を整理するとき、使わない依頼文を外す判断にも使えます。

次は「読者像を決める」へ進みます。絞った案を、誰に向けて書くかを決める作業です。

同じブラウザ内に進捗を保存します。

更新メモ

2026-08-08 新方針でリライト