タイトルは、記事の中で一番多く読まれる一行です。この回では、ユイさんが煽らずに内容が伝わるタイトルとメタ説明を作り、記事の入り口を仕上げます。
この回で作るもの
タイトル案5つと、採用する1つ + メタ説明
本文の内容から外れないタイトルを5案作り、1つ選びます。あわせて検索結果に出るメタ説明を120字前後で用意します。ここまでで、記事は公開できる状態になります。
今回の例
ユイさんが、タイトルだけ決まらないまま止まっている
本文もアイキャッチもできました。あとはタイトルだけです。ところが、内容に忠実にすると地味になり、目を引こうとすると自分の記事らしくなくなります。下書きのまま2日たちました。
- 記事の中心
- モーニングを逃した結果、頼むつもりのなかった厚切りトーストに出会った話
- 本文に書いてあること
- 11時すぎに到着。モーニングは10時半まで。厚切りトースト450円(バターかあんこを選べる)。平日昼前は空いていた。栗どら焼き260円を2個持ち帰り
- 考えたタイトル案
- 「和菓子屋に行ってきました」(地味すぎる) / 「衝撃!モーニング難民が出会った神トースト」(自分らしくない)
- 止まっている理由
- 正直に書くと弱く、強くすると嘘っぽくなる。その間が分からない
強いタイトルと、釣りタイトルの違い
目を引くことと、内容を偽ることは別です。境界は「本文を読んだ人が、期待どおりだったと思えるか」にあります。
ユイさんの2案目を見てみます。「衝撃!」は本文に衝撃的な出来事がないので偽りです。「モーニング難民」は本文にない言葉で、深刻な状況を想像させます。「神トースト」は評価語で、しかもユイさんはそこまで言っていません。3つとも、読んだあとに落差が生まれます。
一方、1案目が弱いのは、本文の中身が入っていないからです。何の店か、何があったのかが分かりません。地味なのではなく、情報がないだけです。
- 使わない言葉 — 絶対、必見、衝撃、神、話題の、驚愕、〜すぎる、まさかの
- 本文にない設定を足さない — 難民、事件、後悔、涙といった大げさな枠組み
- 数字は本文にあるものだけ — 450円、10時半は使える。「3つの理由」は本文になければ使えない
- 疑問形で引っ張らない — 「その結果は?」のように答えを隠さない
AIに任せる部分と自分で見る部分
AIに頼みやすい
- 本文から使える要素を抜き出す
- 型を変えたタイトル案を並べる
- 本文と食い違う案を指摘する
- メタ説明を字数に収める
自分で見る
- 読んだあとに落差が出ないか
- 自分の記事一覧の中で浮いていないか
- 店に迷惑をかける言い方になっていないか
- どの案を使うかの決定
第34回で選んだアイキャッチは、厚切りトーストを主役にしたものでした。タイトルもトーストを中心にすると、一覧で見たときに画像と言葉が同じ話を指します。ここがずれると、記事一覧で読む人が迷います。
進め方
- 本文から、タイトルに使える要素を抜き出す
- 型を変えたタイトル案を5つ出してもらう
- 本文と食い違う案がないか点検してもらう
- 記事一覧に並べて1案を選ぶ
- メタ説明を120字前後で作る
そのまま使える依頼文
1. 本文から使える要素を抜き出す
記事のタイトルを考えます。
その前に、本文の中でタイトルに使えそうな要素を抜き出してください。
本文の内容:
バスを1本乗り過ごして11時すぎに到着した
モーニングは10時半までで間に合わなかった
かわりに頼んだ厚切りトーストは450円。バターかあんこを選べた
平日の昼前で店内は空いていた
栗どら焼き260円を2個持ち帰った
抜き出した要素を「出来事」「数字」「意外だったこと」に分けてください。
出力例
出来事: バスを乗り過ごした / モーニングに間に合わなかった / かわりにトーストを頼んだ / どら焼きを持ち帰った
数字: 11時すぎ / 10時半 / 450円 / 260円 / 2個
意外だったこと: 間に合わなかったのに、かわりに頼んだものが良かった / トーストにバターとあんこの選択肢があった
「10時半」と「かわりに頼んだ」は、この記事だけの要素です。タイトルの軸になります。
2. 型を変えて5案出す
この記事のタイトルを5案作ってください。
それぞれ型を変えてください。
条件:
・絶対、必見、衝撃、神、話題の、驚愕、〜すぎる、まさかの は使わない
・感嘆符と疑問形は使わない
・本文に書いていない出来事や感情を足さない
・30字前後
・型の名前も添えてください
出力例
- 出来事型: モーニングに間に合わなかった日の、厚切りトースト
- 数字型: 10時半のモーニングに間に合わず、450円のトーストを頼んだ話
- 場面型: バスを1本乗り過ごして着いた、平日昼前の和菓子屋
- 結果型: 予定と違うものを頼んだら、そちらが良かった日のこと
- 対象型: バターかあんこを選べる厚切りトーストを食べました
1と2は記事の中心に近く、3は場面が伝わります。4は内容がやや分かりにくく、5はトーストだけの記事に見えます。
3. 本文との食い違いを点検する
5案それぞれについて、次を点検してください。
・タイトルを見て期待した内容が、本文にあるか
・本文にない情報を、読む人に想像させないか
・読み終わったあとに「思っていたのと違う」と感じないか
問題がなければ「食い違いなし」と書いてください。
無理に指摘しなくて構いません。
出力例
- 案1 食い違いなし。トーストの記述が本文の中心にあります
- 案2 食い違いなし。10時半と450円はどちらも本文に記載があります
- 案3 軽い注意。「平日昼前の和菓子屋」から店の紹介記事を想像する人がいます。本文は店の紹介ではなく、その日の記録です
- 案4 注意。「予定と違うもの」が何か分からないため、内容を想像しにくくなります。検索からも見つかりにくくなります
- 案5 軽い注意。トーストの記事に見えますが、本文には到着の経緯と持ち帰りの話も含まれます
4. 記事一覧の中で決める
私のブログの最近の記事タイトルは次のとおりです。
・朝の直売所で買った野菜を3日かけて食べました
・商店街の路地にある豆腐店に寄りました
・雨の日の道の駅は人が少なめでした
今回の5案を、この一覧に並べたときの見え方を教えてください。
長さ、調子、情報量がそろっているか見てください。
そろえるべき点と、変えてよい点を分けて書いてください。
出力例
既存3本の共通点: 20字前後、「〜ました」「〜でした」で終わる、場所と行動が入る、評価語がない
そろえるべき点
- 語尾 — 案1と案3は体言止めです。既存に合わせるなら「〜ました」形が自然です
- 長さ — 案2は33字でやや長く、一覧で折り返す可能性があります
変えてよい点
- 数字の有無 — 既存にはありませんが、450円や10時半は内容の説明になっており、浮きません
語尾をそろえるなら、案1を「モーニングに間に合わなかった日に、厚切りトーストを食べました」とすると、既存と並びます。
5. メタ説明を作る
タイトルは
「モーニングに間に合わなかった日に、厚切りトーストを食べました」
に決めました。
このタイトルに合うメタ説明を作ってください。
検索結果でタイトルの下に表示される文章です。
条件:
・120字前後
・本文にある情報だけを使う
・タイトルの繰り返しにしない
・行動をうながす言い方をしない
・2案お願いします
出力例
案A(118字)
「バスを1本乗り過ごして、着いたのは11時すぎ。モーニングは10時半までで間に合いませんでした。かわりに頼んだ厚切りトーストは450円で、バターとあんこから選べます。平日の昼前の店内の様子もあわせて書きました。」
案B(115字)
「和菓子屋のモーニングは10時半まででした。間に合わなかったので、かわりに450円の厚切りトーストを頼みました。バターかあんこを選べます。持ち帰った栗どら焼きのことも書いています。訪問日の記録です。」
案Aは経緯から、案Bは結論から入っています。どちらも本文にない情報は入れていません。
出力をレビューする
- タイトルの内容が、本文にすべて書かれているか
- 使わないと決めた言葉が入っていないか
- アイキャッチと同じものを中心にしているか
- 記事一覧に並べて、語尾と長さがそろっているか
- メタ説明が、タイトルの言い換えになっていないか
返事が使いにくかったときの直し方
「【衝撃】モーニング難民が辿り着いた奇跡の厚切りトースト|地元民も唸る老舗和菓子店の実力とは」
禁止語を伝える前だと、こうした案が出てきます。「衝撃」「奇跡」は評価語、「難民」は本文にない設定、「地元民も唸る」は確認していない評判、「実力とは」は答えを隠す疑問形です。しかも記事の中心である「間に合わなかった日の記録」が消えています。
このタイトルは使えません。5点直してください。
・「衝撃」「奇跡」などの評価語を使わないでください
・「難民」など、本文にない設定を足さないでください
・「地元民も唸る」は確認していない評判です。削ってください
・「実力とは」のように答えを隠す言い方をしないでください
・記号(【】|)を使わないでください
本文にある事実だけで、30字前後にしてください。
「モーニングに間に合わなかった日に、厚切りトーストを食べました」(29字)
禁止語だけを伝えると、別の煽り方に置き換わることがあります。評価語、足された設定、未確認の評判、疑問形、記号の5つをまとめて外すと安定します。この5点は、次の記事でもそのまま使えます。
小さな練習
公開前の記事、または公開済みの記事を1本選び、依頼文2を送ってタイトル案を5つ出してもらってください。禁止語の条件は、そのままコピーして使えます。
出てきた5案を、自分のブログの記事一覧を開きながら見比べます。語尾と長さがそろっているものを1つ選べば、この回は完了です。
次へ進む目安
タイトルを見た人が期待する内容が、本文にすべて書かれていると言えるなら十分です。ここで作った5つの禁止条件は、第37回のプロンプト集に入れておくと、次の記事から呼び出すだけで使えます。
次は「作業手順書を作る」へ進みます。記事が完成したので、公開までの作業を次回も再現できる形にまとめます。