きれいな画像でも、記事の中身とつながっていなければ役に立ちません。この回では、ユイさんが記事の内容から3つのアイキャッチ案を立てて、使う1案を選びます。
この回で作るもの
アイキャッチ案3つと、採用する1案
記事の中身を絵の要素に置き換えた案を3つ作り、比べて1つ選びます。選んだ案は、第33回で作った依頼文の形にそのまま流し込めます。
今回の例
ユイさんの画像が、記事とつながっていない
ユイさんは前回、画像生成の依頼文をきちんと書けるようになりました。おかげで、狙いどおりの画像は出るようになりました。ところが記事に並べてみると、画像だけが浮いて見えます。
- 記事の内容
- 「和菓子屋のモーニングに間に合わなかった話。10時半までのモーニングに11時すぎに到着し、代わりに頼んだ厚切りトーストが良かった。栗どら焼きは持ち帰った」
- 今のアイキャッチ
- 皿に乗った栗どら焼き1個の画像。前回作った依頼文で生成したもの
- 気になっていること
- 記事の中心は「間に合わなかった話」なのに、画像は栗どら焼きだけを見せている
- 止まっている理由
- 記事の内容をどう絵にすればよいのか、思いつかない
アイキャッチが決めるのは「何の記事か」
アイキャッチは、記事の飾りではありません。一覧やSNSに並んだとき、読む人が最初に見る要約です。だから、記事の中心と画像の中心はそろっている必要があります。
ユイさんの記事の中心は、栗どら焼きそのものではありません。「時間に間に合わず、予定と違うものを食べた」という体験です。画像がその体験を指していないと、読んだ人は記事を開いてから「思っていた内容と違う」と感じます。
- 記事の中心と画像の中心がずれている
- 雰囲気は良いが、何の記事か分からない
- 一覧に並んだとき、他の記事の画像と見分けがつかない
- スマホで小さく表示されると、何が写っているか分からない
AIに任せる部分と自分で見る部分
AIに頼みやすい
- 記事の中心を一文で言い直す
- その一文を絵の要素に置き換える案を出す
- 案ごとに、伝わることと伝わらないことを挙げる
- 選んだ案を依頼文の形にする
自分で見る
- 自分の記事一覧に並べたときの見え方
- 実際の体験と食い違っていないか
- 3案のうちどれを使うかの決定
- 権利や誤解のもとになる要素が入っていないか
第33回で作ったのは「伝え方」です。この回で作るのは「何を伝えるか」です。案が決まってから、前回の5要素の形に流し込むと、迷いが少なくなります。
進め方
- 記事の中心を一文で書く
- その一文を絵にする案を3つ出してもらう
- 案ごとに、小さく表示したときの見え方を確かめる
- 自分の記事一覧に並べて、1案を選ぶ
- 選んだ案を、前回の5要素の依頼文に流し込む
そのまま使える依頼文
1. 記事の中心を一文にする
次の記事の中心を、一文で言い直してください。
出来事の要約ではなく、「この記事は何の話か」が分かる一文にしてください。
候補を3つ出してください。
記事:
和菓子屋のモーニングを目当てに出かけたが、バスを乗り過ごして11時すぎに到着した。
モーニングは10時半までで間に合わなかった。
かわりに頼んだ厚切りトーストが良かった。
栗どら焼きは持ち帰った。
出力例
- 目当てのものに間に合わなかったけれど、その日はその日で悪くなかった話
- モーニングを逃した結果、頼むつもりのなかったトーストに出会った話
- 予定どおりに行かなかった一日の記録
1と2は「間に合わなかったこと」と「かわりに得たもの」の両方を含んでいます。3は範囲が広く、記事の具体的な内容が伝わりにくくなります。
2. 一文を絵の要素に置き換える
「モーニングを逃した結果、頼むつもりのなかったトーストに出会った話」
という記事のアイキャッチ案を3つ出してください。
案ごとに、次の4つを書いてください。
・主役(画面の中心に置くもの)
・構図
・色と光
・この案で伝わること、伝わらないこと
写真ではなく、生成した画像を使う前提です。
人物、読める文字、店のロゴは入れられません。
出力例
案A: 厚切りトーストを主役にする
- 主役: 厚切りトースト1枚。バターが溶けかけている
- 構図: 斜め上から、寄り気味
- 色と光: 明るい昼の室内。白い皿と木のテーブル
- 伝わること: 記事の中心が「かわりに食べたもの」だと分かる / 伝わらないこと: 間に合わなかった経緯
案B: 片付いたモーニングの席
- 主役: 空いたテーブル。片付けられた食器が下げられた直後の状態
- 構図: 少し引きで、テーブル全体が入る
- 色と光: やや落ち着いた光。窓の光が斜めに入る
- 伝わること: 「終わったあと」の空気 / 伝わらないこと: 何を食べたのか
案C: 持ち帰った栗どら焼きとトーストを並べる
- 主役: 皿の上のトーストと、その奥に紙袋に入った栗どら焼き
- 構図: 斜め上から。2つが1画面に収まる
- 色と光: 明るい昼の室内。やわらかい影
- 伝わること: その日に手に入れたものが両方分かる / 伝わらないこと: 予定が変わったという流れ
3. 小さく表示したときを想定する
3つの案を、スマートフォンの記事一覧に小さく並べる場合で考え直してください。
・幅は画面の半分ほど
・他の記事の画像と並ぶ
・タイトルは画像の下に表示される
この条件で、それぞれの案がどう見えるかを書いてください。
見分けがつきにくい案があれば指摘してください。
出力例
- 案A(トースト) — 主役が1つで大きいため、小さくしても何か分かります。ただし、他の食べもの記事と似た見た目になりやすいです
- 案B(片付いた席) — 引きの構図なので、小さくすると何を写しているか分かりません。一覧では弱くなります
- 案C(2つ並べる) — 要素が2つあるため、小さくすると両方が中途半端になります。紙袋が何か分からなくなる可能性があります
一覧での見え方だけで選ぶなら、案Aが有利です。案Bは記事の中で使う画像には向きますが、アイキャッチには向きません。
4. 選んだ案を依頼文に流し込む
案Aを採用します。
これを画像生成AIに送る依頼文にしてください。
条件:
・横長のブログ用アイキャッチ
・タイトルを載せるので、左3分の1は何も置かない
・主役はちょうど1つだけ
・明るい昼の室内、自然光
・文字、看板、ロゴ、人物、既存のキャラクターは入れない
そのままコピーして貼れる形でお願いします。
出力例
横長のブログ用アイキャッチ画像。
主役は、白い皿に乗った厚切りトーストが1枚だけ。バターが溶けかけている。
他の食べものや飲みものは置かない。
主役は画面の右寄りに配置し、左3分の1は木のテーブルのままにして何も置かない。
斜め上から見た構図。パンの厚みが分かるように寄り気味で。
昼間の明るい室内。窓からの自然光。影はやわらかく。
色は白と木の色が中心。背景はぼかす。
文字、看板、ロゴ、人物、既存のキャラクターは画面に入れない。
前回作った「避ける要素」の定型文が、最後の一行に入っています。
5. 記事一覧の中で浮いていないか見る
私のブログの最近の記事のアイキャッチは、次のような内容です。
1. 湯のみと和菓子を真上から撮った画像
2. 商店街の路地を横から撮った画像
3. どら焼きの断面を寄りで撮った画像
今回のアイキャッチ(白い皿の厚切りトースト、斜め上から)を4番目に並べると、
一覧としてどう見えますか。
似すぎている点、浮いている点があれば指摘してください。
そろえるべきか、変化を付けるべきかも書いてください。
出力例
似ている点: 1と3は食べものの寄りで、今回も食べものの寄りです。3枚のうち2枚が同じ構図の方向になります。
浮いている点: 今回だけ白が中心の色合いです。他の3枚は木や路地の色が強く、並べると明るさが目立ちます。
考え方: 一覧としての統一感は、色と余白でそろえるのが扱いやすい方法です。構図は記事ごとに変えて構いません。今回は色を少し落として木のテーブルを多めに入れると、他の3枚となじみます。
ただし、なじませすぎると一覧の中で見分けがつかなくなります。3枚と並べたときに「どれがどの記事か」が分かる程度の差は残してください。
出力をレビューする
- 記事の中心と、画像の主役が同じものを指しているか
- 小さく表示したときに、何が写っているか分かるか
- 実際にあった出来事と食い違っていないか
- 読める文字、人物、ロゴが入っていないか
- 記事一覧に並べて、他の記事と見分けがつくか
返事が使いにくかったときの直し方
「案: 時計の針が10時半を指す店内で、名残惜しそうに立ち去る後ろ姿。窓の外には秋の落ち葉。手にはまだ温かい紙袋。切ない気持ちが伝わる、ストーリー性のある一枚。」
物語としてはよくできています。しかし使えません。時計の文字盤は読める文字ですし、人物の後ろ姿も人物です。何より、ユイさんは名残惜しくも切なくもありませんでした。記事では、かわりに食べたトーストが良かったと書いています。案が記事の中身から離れて、劇的な話に置き換わっています。
この案は使えません。3点直してください。
・時計の文字盤は読める文字にあたります。入れないでください
・人物(後ろ姿を含む)は入れないでください
・記事に書いていない感情(切ない、名残惜しい)を前提にしないでください
私の記事は、間に合わなかったけれど、かわりに食べたものが良かったという話です。
その内容に合う案を、もう一度3つ出してください。
「案A: 厚切りトーストを主役にする。かわりに食べたものが良かったという中心が伝わります。案B: トーストと持ち帰りの紙袋を並べる。その日に手に入れた2つが分かります。案C: 空いた昼前のテーブルにトーストが1枚。時間帯の遅さが、時計を使わずに伝わります。いずれも人物と文字は入れていません。」
物語性のある案が出てきたときは、「その感情を自分が書いたか」を確かめてください。書いていなければ、記事から離れた案です。
小さな練習
自分の記事を1本選び、依頼文1を送って中心を一文にしてください。次にその一文で依頼文2を送り、案を3つ出します。
出てきた3案を、自分のブログの記事一覧を開きながら見比べてください。並べたときに分かりやすいものを1つ選べば、この回は完了です。生成はあとからで大丈夫です。
次へ進む目安
画像を選ぶときに「きれいかどうか」ではなく「記事の中心と合っているか」で判断できたなら十分です。ここで選んだ案は、次の第35回でタイトルとメタ説明を考えるときの材料になります。画像とタイトルは、同じ中心を指している必要があります。
次は「タイトルとメタ説明を整える」へ進みます。記事の入り口を、言葉の側からも整えます。