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AI活用基本講座

メリットとデメリットを整理する

第24回 4章 調べものと判断に使う 初級 14分

この回でできるようになること

  • 良い面と気になる面を同じ数だけ並べられる
  • 見落としていそうな観点を足せる
  • 備えられるものと受け入れるものに分けられる

使うもの

ChatGPT

良さそうなのに、消えない不安がある。この回では、ナオさんがその不安を言葉にして、判断材料に変えます。

この回で作るもの

見落としも含めた判断材料メモ

良い面と気になる面を整理し、自分が見落としていそうな点も加えます。そのうえで「許容できるかどうか」を自分で判断します。

今回の例

ナオさんが、企画に踏み切れずにいる

ナオさんは、移住を検討している地域について連載記事を書こうと考えました。書きたい気持ちはあります。ただ、始めようとすると、うまく言葉にできない不安が残ります。

考えている企画
移住検討中の視点で、その地域の暮らしを毎月1本ずつ書く連載
良いと思っている点
自分が今まさに調べていることなので、材料が自然にたまる / 同じ立場の人に役立つ / 続けやすい
言葉にできていない不安
「なんとなく引っかかる」としか言えない状態
止まっている理由
不安の中身が分からないので、対処のしようがない

不安は、見落としの合図かもしれない

「なんとなく引っかかる」は、無視してよい感覚ではありません。まだ言葉になっていないだけで、何かに気づいている可能性があります。

この段階でやるのは、不安を消すことではありません。不安の中身を言葉にして、判断材料に変えることです。言葉になれば、対処できるものと、受け入れるものに分けられます。

  • 良い面だけ数えると、始めたあとで困る
  • 不安を言葉にせずに始めると、途中で止まる
  • デメリットを挙げられると、否定されたように感じてしまう
  • 全部の不安を消そうとすると、いつまでも始められない
やめる理由を探す回ではありません

デメリットを整理するのは、やめるためではなく、備えるためです。「これは許容できる」と分かれば、かえって迷いなく始められます。

AIに任せる部分と自分で見る部分

AIに頼みやすい

  • 良い面と気になる面を並べる
  • 自分が挙げていない観点を足す
  • 備えられるものと、そうでないものに分ける
  • 不安の中身を分解する

自分で見る

  • 許容できるデメリットかどうか
  • 指摘が自分に当てはまるか
  • 始めるかどうかの決定
  • 備える方法を実際にやるか

進め方

  1. 企画の内容と、自分が思う良い面を書き出す
  2. 気になる面を挙げてもらう
  3. 見落としていそうな観点を足してもらう
  4. 備えられるものと、受け入れるものに分ける
  5. 始めるかどうかを自分で決める

そのまま使える依頼文

1. 良い面と気になる面を並べる

ブログで新しい連載を始めようと考えています。
良い面と気になる面を整理してください。

【企画】
移住を検討している立場から、その地域の暮らしを毎月1本ずつ書く連載

【自分が思う良い面】
・今まさに調べていることなので、材料が自然にたまる
・同じ立場の人に役立つ
・続けやすい

気になる面も同じ数だけ挙げてください。
やめたほうがよいという結論は書かないでください。

出力例

良い面(補足を含む)

  • 材料が自然にたまる — 取材のために別に動く必要がありません
  • 同じ立場の人に役立つ — 検討中の視点は、移住後の人には書けない内容です
  • 続けやすい — 月1本なら、調べものと並行できます

気になる面

  • 移住しなかった場合、連載をどう終えるかが決まっていません
  • 検討中は情報が不確かなことが多く、誤った印象を与える可能性があります
  • 地域の方が読む可能性があります。検討中の率直な感想が、住んでいる方には違って受け取られることがあります

2. 見落としていそうな点を足してもらう

私が挙げていない観点で、考えておいたほうがよい点があれば足してください。

・3つまででお願いします
・私を不安にさせる目的ではなく、備えられる形で書いてください
・起きる可能性が低いことは挙げないでください

出力例

  1. 自分の状況が記事に出続けること — 検討中と書き続けると、勤務先や家族の状況が読み手に推測されることがあります。どこまで書くかを先に決めておくと迷いません
  2. 情報が古くなる速さ — 移住関連の制度や支援は変わります。1年前の記事が今も読まれるため、更新日を書いておくと誤解を防げます
  3. 「検討中」という立場の期限 — 移住しても、しなくても、いずれ立場が変わります。そのとき連載をどうするかを、始める前に決めておくと止まりません

3つとも、始める前に決めておけば備えられる項目です。

3. 備えられるものと受け入れるものに分ける

挙げてもらった気になる面を、次の3つに分けてください。

・始める前に決めておけば備えられるもの
・始めてから対処できるもの
・そもそも避けられず、受け入れるしかないもの

分けた理由も一行ずつ書いてください。

出力例

始める前に決めておけば備えられる

  • 連載の終わり方 — 「移住したら」「1年たったら」など、区切りを先に決めておけます
  • 自分の状況をどこまで書くか — 書かない項目を最初に決められます

始めてから対処できる

  • 情報が古くなること — 記事に更新日を入れ、年に一度見直せば足ります
  • 情報が不確かなこと — 確認できた範囲だけ書き、確認していない部分はその旨を添えれば防げます

受け入れるしかない

  • 地域の方の受け取り方 — 誠実に書いても、読む人によって受け取り方は変わります。書き方を丁寧にすることはできますが、完全には制御できません

4. 言葉にできない不安を分解する

整理してもらった中に、私が引っかかっていたものがある気がします。

「なんとなく引っかかる」という感覚を分解する手伝いをしてください。
私に質問する形でお願いします。
答えを推測して決めつけないでください。3つまでで結構です。

出力例

3つ質問します。答えやすいものだけで構いません。

  1. もし移住しないと決めた場合、この連載を読んでいた人に対して、何か気まずさを感じそうですか
  2. 地域の方に読まれることを想像したとき、書きにくくなりそうな話題はありますか
  3. 毎月1本という約束が、自分にとって負担になりそうだと感じていますか

引っかかりの正体は、この3つのどれかに近いことが多いと思われます。当てはまらない場合は、そう教えてください。別の角度で考えます。

5. 判断材料メモにまとめる

ここまでの整理を、1枚の判断材料メモにしてください。

・良い面、気になる面、備える方法の3つに分けてください
・始めるべきかどうかは書かないでください
・私が決めるための材料としてまとめてください
・読み返して3分で分かる分量にしてください

出力例

■ 連載企画の判断材料

【良い面】
・調べものと記事作成が同じ作業になる
・検討中の視点は、移住後には書けない
・月1本なら他の作業と並行できる

【気になる面と備える方法】
・移住しなかったときの終わり方
  → 始める前に「1年で区切る」など決めておく
・情報が古くなる
  → 記事に更新日を入れ、年1回見直す
・自分の状況が推測される
  → 書かない項目(勤務先、家族構成)を先に決める
・地域の方の受け取り方
  → 完全には制御できない。事実と感想を分けて書く

【決めること】
・区切りをいつにするか
・書かない項目は何か

最後の「決めること」2つは、あなたが答えを出す項目です。

出力をレビューする

  • 気になる面が、良い面と同じくらい具体的か
  • 起きる可能性の低い話が混ざっていないか
  • 備える方法が、実際にできることになっているか
  • やめるべきという結論が入っていないか
  • 最後に自分が決める項目が残されているか

返事が使いにくかったときの直し方

微妙な出力の例

「率直に申し上げると、この企画にはリスクが多いと言わざるを得ません。炎上の可能性、地域からの反発、個人情報の特定、収益化の困難さ、モチベーションの低下。慎重に再検討されることをおすすめします。」

整理ではなく、やめる方向の結論が返ってきました。しかも「炎上」「反発」は、起きる可能性を示さずに並べられています。備える方法も書かれていないので、ナオさんは不安になるだけで、判断材料が1つも増えていません。

やめるかどうかは私が決めます。

・「おすすめします」「再検討を」のような結論は書かないでください
・炎上や反発など、可能性の低いことを並べないでください
・挙げる場合は、必ず備える方法をセットで書いてください
・良い面と気になる面を、同じ数だけ挙げてください

判断材料として整理してください。
直したあとの出力

「気になる面を3つ、それぞれ備える方法とあわせて挙げます。1. 移住しなかったときの終わり方が未定 → 始める前に区切りを決める。2. 情報が古くなる → 更新日を入れ、年1回見直す。3. 自分の状況が推測される → 書かない項目を先に決める。良い面も3つ挙げています。」

デメリットを頼むと、やめる方向の結論が付いてくることがあります。「備える方法をセットで」と条件を付けると、材料として使える形になります。

小さな練習

やろうか迷っていることを1つ思い浮かべてください。企画でも、買い物でも、生活のことでもかまいません。

良いと思う点を3つ書き出して、依頼文1を送ります。気になる面が3つ返ってきたら、依頼文3で「備えられるもの」と「受け入れるもの」に分けてもらってください。1つでも「これは許容できる」と判断できたら、この回は完了です。

次へ進む目安

「なんとなく不安」を1つでも言葉にできたら十分です。ここで作った判断材料メモの形は、第30回で公開するかどうかを決めるときにも使います。

次は「アイデアを選べる数に絞る」へ進みます。案が多すぎて動けなくなったときの扱い方です。

同じブラウザ内に進捗を保存します。

更新メモ

2026-08-08 新方針でリライト