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AI活用基本講座

SNS投稿を宣伝っぽくしすぎない

第15回 3章 文章を作る 初級 12分

この回でできるようになること

  • 宣伝っぽく見える理由を言葉にできる
  • 禁止語を指定して候補を出させられる
  • 語尾を自分の言い方に戻せる

使うもの

ChatGPT

SNSの一言は短いぶん、言い方の差が出ます。この回では、ハルさんが宣伝っぽさを避けながら、自分の言葉で書ける投稿文を作ります。

この回で作るもの

宣伝っぽくならないSNS投稿文

手元の写真1枚と感想メモから、そのまま投稿できる短文を1本作ります。あわせて、自分が使わない言葉のリスト(避ける言葉メモ)も残します。

今回の例

ハルさんが、写真に添える一言を書き直し続けている

ハルさんは、和菓子店で撮った栗どら焼きの写真を投稿しようとしています。何度も書き直しているのに、どう書いても広告の文章のように見えてしまい、下書きのまま3日たちました。

持っているもの
栗どら焼きの写真1枚(断面が見えている)
感想メモ
「皮がふんわり。栗が大きくて甘露煮っぽい。あんは甘さ控えめ。平日午後で店内は空いていた。1個260円」
書いた下書き
「絶品の栗どら焼き!ふわふわ生地に大きな栗がゴロっと。これは並んででも食べる価値ありです!」
止まっている理由
下書きが自分の言い方と違うのは分かるが、どこを直せばいいのか分からない

「宣伝っぽさ」の正体を言葉にする

ハルさんの下書きが宣伝に見えるのには、はっきりした理由があります。感覚ではなく、部品として指摘できます。

  • 強い評価語 — 絶品、悶絶、神、最高、やみつき。味の説明ではなく、点数を付ける言葉です
  • していない体験 — 「並んででも」。ハルさんは並んでいません。店内は空いていました
  • 行動をうながす言い方 — 「価値あり」「食べるべき」。感想ではなく勧誘になります
  • 擬音の多用 — ふわふわ、ゴロっと。1つなら自然ですが、続くと商品説明の口調になります
  • 感嘆符の連発 — テンションで押している印象が出ます

逆に言えば、消えているものもあります。260円という価格、平日午後の空いた店内、甘さ控えめという味の方向。ハルさんが実際に見て感じたことほど、下書きから抜け落ちています。

AIに任せる部分と自分で見る部分

AIに頼みやすい

  • 宣伝っぽい語を指摘する
  • 同じ内容を別のトーンで言い直す
  • 短い候補を複数出す
  • 体験していない表現が混ざっていないか見る

自分で見る

  • 語尾が自分の話し方になっているか
  • その場で本当に感じたことか
  • 店に迷惑がかからない書き方か
  • 最終的にどれを投稿するかの選択

進め方

  1. 感想メモを、事実(価格、混み具合)と味の印象に分ける
  2. AIに、下書きの宣伝っぽい箇所を指摘してもらう
  3. 使わない言葉を決めて、依頼文に禁止語として入れる
  4. トーン違いの候補を出してもらう
  5. 語尾だけ自分の言い方に直して投稿する

そのまま使える依頼文

1. 下書きの宣伝っぽさを指摘してもらう

次のSNS投稿の下書きが、広告のように見えてしまいます。
どこが広告っぽく見えるのかを、部分ごとに指摘してください。
書き直しはまだしないでください。指摘だけお願いします。

下書き:
絶品の栗どら焼き!ふわふわ生地に大きな栗がゴロっと。
これは並んででも食べる価値ありです!

出力例

  • 「絶品」 — 味の説明ではなく評価の断定です。読む人には、何がどうおいしいかが伝わりません。
  • 「ふわふわ」「ゴロっと」 — 擬音が続くと、商品紹介の口調に近づきます。
  • 「並んででも」 — 実際に並んだ描写がないと、誇張に見えます。
  • 「価値ありです」 — 感想ではなく、読む人への勧めになっています。
  • 感嘆符が2つ — 全体の勢いが強まり、宣伝の印象を押し上げています。

一方で、価格や店の様子など、あなたが実際に見た情報は入っていません。

2. 避ける言葉を決めて書いてもらう

次の感想メモから、SNSの投稿文を3案作ってください。

感想メモ:
皮がふんわりしている
栗が大きく、甘露煮のような味
あんは甘さ控えめ
平日午後で店内は空いていた
1個260円(店頭表示とレシートで確認済み)

条件:
・絶品、悶絶、神、最高、やみつき、必見、〜すぎる は使わない
・感嘆符は使わない
・私が書いていないことは足さない
・それぞれ80字前後

出力例

案1
栗どら焼きを買いました。皮はふんわり、中の栗は大きめで甘露煮のような味。あんは甘さ控えめなので、栗の味がまっすぐ来ます。1個260円でした。

案2
平日の午後、空いている店内で栗どら焼きを1つ。断面を見たら栗が思ったより大きくて、あんの甘さが控えめなぶん栗が主役になっていました。260円。

案3
皮がふんわりした栗どら焼き。あんが甘さ控えめで、甘露煮のような栗の味がよく分かります。平日午後は店内が空いていて、ゆっくり選べました。1個260円。

3. 語尾と話し方を自分に寄せる

案2を、私の書き方に近づけてください。

私の投稿の特徴:
・体言止めをあまり使わない
・「〜でした」より「〜です」で終えることが多い
・自分の気持ちを一言だけ最後に置く
・店をおすすめする言い方はしない

内容は変えず、言い方だけ直してください。

出力例

「平日の午後、空いている店内で栗どら焼きを買いました。断面を見たら栗が思ったより大きくて、あんの甘さが控えめなぶん、栗の味が前に出ています。1個260円です。この組み合わせは好きです。」

体言止めを外し、語尾を「です」に統一しました。最後の一文を、おすすめではなく自分の気持ちにしています。

4. 写真とかぶっている説明を削る

この投稿には、栗どら焼きの断面が写った写真を1枚添えます。
写真を見れば分かることは、文章から削りたいです。

文章:
平日の午後、空いている店内で栗どら焼きを買いました。
断面を見たら栗が思ったより大きくて、あんの甘さが控えめなぶん、栗の味が前に出ています。
1個260円です。この組み合わせは好きです。

写真で伝わる部分と、文章でしか伝わらない部分に分けてから、
短く整えてください。

出力例

写真で伝わる部分: 栗が大きいこと、断面の見た目

文章でしか伝わらない部分: 味(あんの甘さ控えめ)、価格、平日午後の店内の様子、自分の好み

短くした案
「平日の午後、空いている店内で買った栗どら焼きです。あんが甘さ控えめなぶん、栗の味が前に出ています。1個260円。この組み合わせは好きです。」

栗の大きさは写真に任せ、文章からは外しました。

5. 自分用の「使わない言葉」リストを作る

今回、私が避けたいと感じた言葉は次のとおりです。

絶品、並んででも、価値あり、ゴロっと

この4つに共通する性質を説明したうえで、
同じ性質を持つ言葉を10個挙げてください。
今後の投稿で使わない言葉のリストにします。
言い換えの候補も一緒に書いてください。

出力例

共通する性質: 味や様子を説明する代わりに、評価の高さや行動の必要性を主張する言葉です。読む人の判断より先に、結論を置いてしまいます。

使わない言葉言い換えの方向
絶品 / 極上 / 至高何がどうおいしいかを具体的に書く
悶絶 / 昇天 / 沼自分の素直な感想に置き換える
必見 / マスト / 行くべき感想で止める。勧めない
知る人ぞ知る / 隠れた名店確認できない評判なので書かない
やみつき / 無限に食べられる実際に食べた量や場面を書く

このリストは、次回以降の依頼文に「この言葉は使わないでください」としてそのまま貼れます。

出力をレビューする

  • 自分が体験していないことが混ざっていないか
  • 語尾と話し方が、自分の他の投稿と地続きか
  • 店や作り手に、確認していない評価を付けていないか
  • 写真を見れば分かることを、文章で繰り返していないか
  • 読み返して、恥ずかしくないか

返事が使いにくかったときの直し方

微妙な出力の例

「ふんわり生地に包まれた、まるで宝石のような大粒の栗。ひと口ほおばれば、優しい甘さが口いっぱいに広がります。心まで満たされるひとときを、ぜひあなたも。」

禁止語は避けられていますが、宣伝の口調は残っています。「まるで宝石のような」は感想ではなく飾りで、「心まで満たされる」もハルさんが書いた感想ではありません。最後の「ぜひあなたも」は、結局おすすめの言葉です。そして、甘さ控えめという実際の味の情報が消えています。

今の文は、禁止語は避けられていますが、まだ広告の口調です。

・比喩(宝石のような)を使わないでください
・私が書いていない感情(心まで満たされる)を足さないでください
・読む人に行動をうながす一文を入れないでください
・私のメモにある「あんは甘さ控えめ」を必ず残してください

この4つを守って、もう一度書いてください。
直したあとの出力

「栗どら焼きを買いました。皮はふんわりしていて、栗は甘露煮のような味です。あんが甘さ控えめなので、栗の味がよく分かります。1個260円でした。」

禁止語を並べるだけでは足りず、比喩、足された感情、行動をうながす一文まで指定して、ようやく落ち着いた文になります。この4点は、次回以降も使い回せる条件です。

小さな練習

最近撮った食べものの写真を1枚選び、感想を3行のメモにしてください。味、値段、そのときの場面の3つがあれば十分です。

そのメモで依頼文2を送り、出てきた3案から1つ選びます。最後に語尾だけ、自分がふだん使う言い方に直してください。直した1文が、今日の成果物です。

次へ進む目安

「絶品」と書きそうになったとき、何がどうおいしいかを言葉にできたなら十分です。ここで作った「使わない言葉」リストは、第19回で自分の文体に戻すとき、第35回でタイトルを付けるときにそのまま使います。

次は「ブログの導入文を作る」へ進みます。短い一言から、記事の入り口を作る作業に移ります。

同じブラウザ内に進捗を保存します。

更新メモ

2026-08-08 新方針でリライト