旬のいちご特集|全国いちご図鑑

AI活用基本講座

地域や食文化の記事で断定しすぎない

第32回 5章 ブログ運営と小さな事業に使う 初級 16分

この回でできるようになること

  • 本文から断定にあたる箇所を抜き出せる
  • 出どころ別に削る・残す・確認するを決められる
  • 言い換えの対応表を作れる

使うもの

ChatGPT、公式サイト

地域の食べものには、調べきれない話がついてきます。この回では、ユイさんが前回の構成をもとに本文を書き、断定しすぎている箇所を直します。

この回で作るもの

断定を直した本文と、言い換えの対応表

前回の構成に沿って書いた本文から、確認していない断定を洗い出して直します。あわせて「この言い方はこう直す」の対応表を作り、以降の記事で使い回します。

今回の例

ユイさんが、聞いた話をそのまま書きそうになっている

ユイさんは前回の構成に沿って本文を書きました。書いているうちに、記事に厚みを出したくなり、お店の由来やこの地域の習慣について触れたくなりました。ただ、その情報は自分で確かめたものではありません。

書いた本文の一部
「このあたりでは昔から、朝に和菓子とお茶を出す文化が根づいています。創業100年を超える老舗で、栗どら焼きは代々受け継がれてきた製法だそうです。地元の人にとっては、秋になると必ず買う定番のお菓子です。」
出どころ
「朝に和菓子」はSNSで見かけた話。「創業100年」と「代々の製法」はAIに聞いた回答。「秋の定番」は自分の印象
確かめたこと
厚切りトースト450円、栗どら焼き260円(レシート)。モーニングは10時半まで(メニュー表)
止まっている理由
由来を書かないと記事が薄い気がするが、確かめずに書くのも怖い

断定を減らしても、記事は薄くならない

ユイさんが不安に思っているのは「由来を削ると記事が薄くなる」ことです。しかし、実際に薄くしているのは断定のほうです。

「創業100年を超える老舗」と書かれた記事と、「窓際の席から通りが見えて、平日の昼前は静かでした」と書かれた記事を比べてみてください。前者はどこの店にも書ける文で、後者はユイさんにしか書けない文です。自分が見たことは、調べた話よりも記事の中身になります。

そのうえで、由来に触れたい場合は書き方を変えます。

  • 断定 — 「代々受け継がれてきた製法です」。確認できなければ書けません
  • 出どころつきの伝聞 — 「店頭の掲示によると」。掲示を見た場合だけ使えます
  • 出どころのない伝聞 — 「〜だそうです」。誰から聞いたか言えないなら、断定と変わりません
  • 自分の体験 — 「わたしが行った日は」。いつでも書けます
「〜だそうです」は逃げ道になりません

語尾をやわらげても、情報の確からしさは上がりません。誰から聞いたか、どこで見たかを言えないなら、書かない選択のほうが安全です。地域の文化や作り手の歴史は、間違うと当事者に直接の迷惑がかかります。

AIに任せる部分と自分で見る部分

AIに頼みやすい

  • 本文から断定にあたる箇所を抜き出す
  • 出どころ別に仕分ける
  • 削る案と書き換え案を出す
  • 言い換えの対応表を作る

自分で見る

  • その情報を自分がどこで知ったかの記憶
  • 削るか、確認しに行くかの判断
  • 店や地域に失礼な書き方になっていないか
  • 削ったあとの本文が自分の体験で埋まっているか

進め方

  1. 構成に沿って本文を書く
  2. 断定にあたる箇所を抜き出してもらう
  3. それぞれの出どころを自分で思い出して書き足す
  4. 削るか、書き換えるか、確認しに行くかを決める
  5. 削った分を、自分が見たことで埋め直す

そのまま使える依頼文

1. 断定にあたる箇所を抜き出す

次の本文から、確認していないと書けない箇所をすべて抜き出してください。
語尾がやわらかくても、内容が事実の主張であれば抜き出してください。
書き直しはまだしないでください。

本文:
このあたりでは昔から、朝に和菓子とお茶を出す文化が根づいています。
創業100年を超える老舗で、栗どら焼きは代々受け継がれてきた製法だそうです。
地元の人にとっては、秋になると必ず買う定番のお菓子です。

出力例

  • 「昔から、朝に和菓子とお茶を出す文化が根づいています」 — 地域の習慣についての主張です。いつからか、どの範囲かが示されていません
  • 「創業100年を超える」 — 年数の主張です。1年でも違えば誤りになります
  • 「老舗」 — 何年からを老舗と呼ぶかの基準がありません
  • 「代々受け継がれてきた製法だそうです」 — 「だそうです」が付いていますが、誰から聞いたかが示されていないため、主張として読まれます
  • 「地元の人にとっては、秋になると必ず買う定番」 — 「必ず」は範囲の主張です。地元の方全員を指すことになります

3文のうち、確認なしで書ける部分はありません。

2. 出どころ別に、扱いを決める

抜き出してもらった箇所の出どころを書きます。
それぞれ「削る」「出どころを書いて残す」「確認しに行く」のどれが適切か教えてください。
理由も一行ずつお願いします。

・朝に和菓子とお茶を出す文化 / SNSで見かけた
・創業100年を超える / AIの回答
・代々受け継がれてきた製法 / AIの回答
・秋になると必ず買う定番 / 自分の印象

出力例

  • 朝に和菓子とお茶を出す文化 → 削る
    SNSの投稿は出どころとして示せません。地域全体の習慣にあたるため、誤りの影響が広く及びます
  • 創業100年を超える → 確認しに行く
    店の公式サイトや店頭の表示に記載があれば書けます。記載がなければ削ってください
  • 代々受け継がれてきた製法 → 削る
    製法は店の内部の話です。店の方から直接伺った場合のみ、了承を得て書ける内容です
  • 秋になると必ず買う定番 → 削る、または自分の言葉に変える
    「必ず」は他人の行動についての主張です。「わたしは秋に買いたくなります」なら自分の話として書けます

3. 自分が見たことで書き直す

先ほどの3文を、私が実際に確かめたことだけで書き直してください。

確かめたこと:
厚切りトースト450円、栗どら焼き260円(レシートで確認)
モーニングは10時半まで(店頭のメニュー表で確認)
平日の昼前、店内は空いていた
窓際の席から通りが見えた
栗どら焼きは皮がふんわりして、あんは甘さ控えめだった

由来や歴史には触れないでください。
記事が薄くならないよう、見たことを具体的に書いてください。

出力例

「店頭のメニュー表には、モーニングは10時半までと書かれていました。かわりに頼んだ厚切りトーストは450円です。平日の昼前だったからか、店内は空いていて、窓際の席からは通りが見えました。持ち帰った栗どら焼きは1個260円。家で食べると、皮はふんわりしていて、あんの甘さは控えめでした。」

由来と歴史を外した分、価格、時間、席の様子といった具体的な情報が増えています。文字数はほぼ同じです。

4. 言い換えの対応表を作る

地域や食べものの記事で、私が書きがちな断定の言い方を
言い換えの対応表にしてください。

列は「使いがちな言い方」「なぜ危ないか」「確認できたときの書き方」「確認できないときの書き方」の4つです。
今回出てきたもの以外も含めて、8行ほどでお願いします。

出力例

使いがちな言い方なぜ危ないか確認できたとき確認できないとき
創業80年の老舗年数が1年違えば誤り公式サイトによると創業78年です年数に触れない
昔から愛されているいつから、誰にかが不明店頭の掲示によると削る
地元では定番地元の人全体の主張になる店の方に伺ったところわたしは気に入りました
栗どら焼き発祥の地諸説あることが多い自治体の資料によると、町内で古くから栗菓子が作られています削る
秘伝の製法店の内部情報店の方の了承を得て削る
必ず売り切れる一度の訪問では言えない3回訪ねてすべて売り切れでしたわたしが行った日は残っていました
知る人ぞ知る確認できない評判使わない削る
本場の味比較の基準がない使わない味の特徴を具体的に書く

5. 直したあとの本文を通しで見る

断定を直した本文を通しで読んで、次の2点を見てください。

1. 断定が残っていないか
2. 削ったことで、意味が通らなくなった箇所がないか

残っていなければ「残りなし」と答えてください。
書き直しは不要です。指摘だけお願いします。

出力例

1. 断定: 残りなし。価格と時間は確認済みの情報として書かれており、店内の様子は訪問日の記述になっています。

2. 意味が通らない箇所: 1か所あります。「平日の昼前だったからか、店内は空いていて」の部分は、空いていた理由を推測しています。断定ではありませんが、「平日の昼前で、店内は空いていました」と事実だけにすると、より自然です。

あわせて、記事の冒頭で由来に触れていた分の導入がなくなっています。第31回の導入案(乗り過ごした場面から始める)を使うと、入り口が埋まります。

出力をレビューする

  • 語尾をやわらげただけで残した断定がないか
  • 削った分を、自分が見たことで埋められているか
  • 店の内部の話(製法、歴史)を、了承なく書いていないか
  • 地域の人全体を指す書き方をしていないか
  • 削ったことで、記事の流れが切れていないか

返事が使いにくかったときの直し方

微妙な出力の例

「このあたりでは昔から、朝に和菓子とお茶を楽しむ文化が根づいているといわれています。創業100年を超えるとされる老舗で、栗どら焼きは代々受け継がれてきた製法とのことです。」

語尾だけが変わりました。「いわれています」「とされる」「とのことです」が付きましたが、誰がそう言っているかは書かれていません。読む人には、確認された情報として伝わります。内容は最初の文とほとんど同じです。

語尾をやわらげただけでは、確認したことになりません。

・「いわれています」「とされる」「とのことです」を使わないでください
・出どころを書けない情報は、書き換えずに削除してください
・削除したあと、残った本文だけをそのまま出してください

由来や歴史を残す提案は不要です。
直したあとの出力

「店頭のメニュー表には、モーニングは10時半までと書かれていました。かわりに頼んだ厚切りトーストは450円です。平日の昼前で、店内は空いていました。窓際の席からは通りが見えます。」

言い換えを頼むと語尾だけが変わることがあります。そのときは「書き換えずに削除してください」と伝えるのが早道です。削ってみて記事が成り立たないなら、それは確認しに行くべき情報です。

小さな練習

自分が書いた記事から、地域や食べものについて触れている段落を1つ選んでください。公開済みのものでもかまいません。

その段落で依頼文1を送り、抜き出された箇所ごとに、自分がどこで知ったかを思い出して書き足します。1つでも「これは削ろう」と決められたら、この回は完了です。

次へ進む目安

「〜だそうです」と書きそうになったとき、誰から聞いたかを言えるか確かめられたなら十分です。ここで作った言い換えの対応表は、第35回でタイトルを付けるとき、第39回で自分のAI利用ルールを作るときに使います。

次は「画像生成の依頼文を作る」へ進みます。本文が固まったので、記事に添える画像の作り方に移ります。

同じブラウザ内に進捗を保存します。

更新メモ

2026-08-08 新方針でリライト